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サクランボの収穫と鳥対策と害虫

サクランボの収穫を左右するのはお天気、鳥対策と虫達です。

収穫前のつやつやのサクランボ

鳥たちとの闘い その1

カラス

サクランボが実を付けるようになって最初にやってきたのはカラスでした。10羽近くのカラスが群がると、さすがにぎょっとします。ただタコ糸を張るだけでずいぶん被害が少なくなっていました。ただのタコ糸が怖いらしく、前の道をそっぽを向きながらこちらの様子を窺いながら歩いてやって来るのです。タコ糸を外せば「もう食べていいよ」の合図、堂々と残りのサクランボを食べに来ました。落ちたサクランボは色々な鳥のために庭に並べて置きます。

ムクドリとヒヨドリ

カラスの数が減ってきたらヒヨドリとムクドリの数が増えて被害が大きくなりました。彼らが来るとあっという間に食べ尽くされてしまいます。ヒヨドリとムクドリは枝葉に紛れて見つけにくいし、おまけに底なしの食いしん坊です。

アニマルバリア

そこで鳥対策として違うアニマルバリアを2台用意しました。2台ともセンサーが半径60度の範囲で反応し音と光で動物を撃退するというものです。小型、中型動物、猫、犬、鳥類、それぞれが嫌う違う周波数の超音波を出したり、光を点滅する事で撃退するというものです。

アニマルバリアアニマルバリア

多少の効果はあって滞在時間が少なくなっているような気がしますが、残念ながら鳥たちはやって来てサクランボを頬張っていました。これで効果があれば楽ちんだと思ったのですが・・

仕方なく網を張ることにしました。大きな網を4枚洗濯ばさみでつなぎ合わせて2Fのベランダから物干し竿で送り出すようにして張りました。この木は居間の前に立っているのですが、ここは角地で鳥たちの侵入経路が死角になっているのでその部分は枝の下まで張り、居間から見られる部分は網が足りなかったので側部は上部だけ張りました。

サクランボの木のヒヨドリ対策の網

ムクドリが一番多くやって来ましたが、網が功を奏してぐっと数が減りました。
脇からやって来た鳥がこちらに気付いて逃げようとした時の行動は面白いものでした。上に向かって飛び立って逃げることが本能なんでしょう、出られなくて大パニック。バタバタと網にぶつかりながら大慌て。入ってきたところから出ればいいのに。しばらく気配を消して落ち着いてから出ていきました。何羽も同じ行動するので思わず笑ってしまいました。

アライグマとハクビシン

ベランダや庭に明らかに鳥のものとは違うサクランボの種入りの糞を何度も発見しました。ハクビシンやアライグマが堂々とこの都会の一角を闊歩している目撃情報が多くあります。ビワの皮入りのそれも見つけました。イチジクやモモも夜のうちに食べられています。眠っているすぐ側で、夜陰に紛れて外来生物が活動していると考えると、少し怖い気がします。

鳥達との闘い その2

2020年ヒヨドリとムクドリの襲来でほとんど食べられてしまいました。余りにも悲しくて、まずは木の剪定から。両サイドを中心にいつもより一回りコンパクトに。そして用意したものは強力磁石とすっぽりと包める大きな網。
2021年、4月20日頃から朝早くからヒヨドリとムクドリが楽しそうに歌う声が聞こえてきて・・例年より2週間以上早く、もういい香りが漂ってきています。そこで次の一手

強力磁石

吊るすだけで鳥が寄り付かないという魔法のような言葉で。

強力磁石

結論ー効果はあまりなく襲来は止められませんでした。

仕方なく最後の一手。

サクランボ

 

網が大きいので大変、ベランダ側をまず垂らしてから上部を棒を使って送り出していくという作業ですが、枝に引っかかったりで1時間近くかかってしまいました。いつものように勢いよくルンルンでやってきた鳥が急ブレーキ、が面白かった。網の上に乗って採れる実がないか探していましたが、襲来はさすがになくなりました。やっぱり楽な手はないということですね。

夜、外でギャー、カーとうるさい。アライグマが網にひっかって、カラスに突っつかれたのか大騒ぎになりました。何とか抜け出して逃げましたが、もう懲りて来ないでほしいものです。

無事収穫が終わり、鳥たちのために実を少し残して、網を撤去。大きな網は畳むのも大変です。傷んでいる枝を落とし軽く剪定しました。カラスとムクドリが沢山やって来て、木の下や残った実、ベランダに並べた実に大騒ぎしています。

薬は使っていないので専ら物理的な方法をとっています。

オウトウハマダラミバエ

小さな蛆虫のようなのがへばりついた実は透かすと黒い影があります。ミバエは年1回発生します。冬は木の根元などで蛹で越冬し、4月成虫になります。実が少し膨らんで来ると産卵管を刺して産卵します。孵化した幼虫は果肉を食べて老齢幼虫になったら穴をあけて外に出ます。比較的低い位置の実が被害にあいやすいようです。
毎年被害が出ていますが、今のところ対策は取っていません。

オウトウハマダラミバエの幼虫

スカシバ(モモスカシバ)

乳白色の幼虫が幹や枝の樹皮と木部の境目の形成層を好んで食べます。木の脂や糞が出ているのでわかります。樹勢を弱らせることがあります。木槌で叩いて潰すかその部分を削って幼虫を取り除きます。

サクランボの樹皮に滲み出した樹脂、中には虫が

サクランボの樹皮に滲み出した樹脂。綺麗ですがこの下には虫が潜り込んでいる証拠です。

形成層が無残な姿になった枝

形成層が無残な姿になった枝です。

ミザクラハベリフクロフシ(虫こぶ)

ミザクラコブアブラムシが入った盛り上がった葉縁の袋

今年はたくさん見られました。見つけたらすぐ葉を取り除きます。葉縁が袋状に盛り上がり、中にはミザクラコブアブラムシがいます。葉の基部で越冬して3月に孵化して、4月末には縁が開いて移動します。

モンクロシャチホコ

モンクロシャチホコの終齢幼虫

モンクロシャチホコの幼虫です。約5cm、小さい時は茶色大きくなると黒色に変わります。白黄色の毛束が列状になっています。プラムの枝が丸裸にされるほど大量に発生したことがあります。下にはコーヒー豆を小さくしたような糞が大量に落ちています。その後雨でも降ろうものなら茶色く汚れてしまって大変です。踏みつけてしまうと体液は暗緑色です。終齢幼虫は浅い土中で蛹になります。危険そうに見えて葉の食害はあっても毒はありません。食べるとおいしいそうですが、無理。

モンクロシャチホコ

モンクロシャチホコの成虫です。

イラガ

木を育てはじめてから5年経過した頃、大量に毛虫が発生。気付かず葉裏を触って刺されて激痛が走りました。電気虫と呼ばれるゆえんです。刺激されると毒液を刺の先から一斉に分泌します。一匹ずつ割りばしでつまんで袋に入れて殺虫剤をかけたことを今でも覚えています。イラガの幼虫は太くて短くて黄緑色、背中に茶褐色の模様があります。
イラガが繭を作っていました。この繭はカルシウムを多く含み日本の昆虫が作る繭の中で最強。蓋を開けて羽化します。

イラガの繭、カルシウムを多く含んだ日本最強の固さ

中には、鮮やかな色の終齢幼虫が入っていました。

繭の中の鮮やかな色のイラガの終齢幼虫

今年のお天気は?

つやつやのサクランボの収穫

お天気は気まぐれです。毎日お日様に恵まれて蜜があふれる美味しい実が取れた嬉しい年もあれば、数が少ない年、熟した時期に5月にはありえない霙が当たってしまいごっそりと落とさざるを得ない年もあり、これも仕方ないことです。趣味の域なのでそんな風に言っていられるのですが。

サクランボの収穫時の道具

木に登る為の地下足袋、1個1個採るので小さな鋏、一時サクランボを入れておく為に枝引っ掛けて使う百均で買った味噌溶きの柄を逆に曲げたもの、サクランボ採りの必修アイテム。

暖地桜桃

バラ科サクラ属セイヨウミザクラ(西洋実桜)、自家結実できるダンチオウトウ(暖地桜桃)という小粒の品種です。引っ越してきた時に500円足らずで買った小さな苗が毎年毎年こんなに皆を楽しませてくれています。

サクランボの花

花もきれいですよ。しかも桜より半月ほど早くお花見ができます。

 

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