カンナは派手で不思議な花です。
カンナの特徴
ショウガ目に属するカンナ科はカンナ属だけの単型科です。熱帯アメリカ原産で野生種が50種があります。東インドを経由しヨーロッパに渡り日本には野生種が江戸時代末期に渡来し、ダントク(檀特)と呼ばれていました。園芸種は明治に入って渡来しました。
葉
草丈150cm、地下に根茎を持ち春に芽を出します。葉は幅の広い披針形で先が尖り長さ10~30cmで互生に付き茎を抱きます。水をはじいて水玉ができます。
花
花期は6~10月。花は茎頂に総状花序に付き、約10cm。花柄の先の1cmの緑色の子房には1cmの2枚の苞が包んでいます。萼片は3枚で1枚がやや小さく淡緑色で子房に接しています。
雄しべ6本の内5本が花弁のような仮雄しべに変化しています。外側に7~8cmの仮雄しべが3枚、内側に6~7cmの細かな斑紋がある2枚が向かい合っています。内側の2枚の仮雄しべの片方の先が少し厚みを持ち1本の雄しべが傍らにあります。
外側の細い3枚が花弁です。中央に花粉を出し終わった雄しべが、雌しべには花粉が付いています。(下の写真の右側中央)
果実
子房は下位で、果実の表面にはぶつぶつしています。
ぶつぶつが取れて網目が見えています。
3室に分かれていてそれぞれに1~2個の長さ8mm程の黒い種子が入っています。
種蒔きは4~5月、種皮が固く発芽率はあまり高くありません。
種類
カンナは観賞用のカンナ・インディカ種から作られた「ハナカンナ」と食用になるカンナ・エデユリス種の「ショクヨウカンナ」に分けられます。
カンナ・インディカは中南米やメキシコで栽培されて食用になっていたそうです。
ショクヨウカンナ
西インド諸島や南アメリカ原産です。高さ3~3.5m、茎は紫色を帯び、葉の赤みのある葉脈と茎頂に総状花序を付け赤い花が咲きます。根茎が大きく澱粉の材料や食用になり、葉や花は家畜の食糧になります。
ハナカンナ
「フレンチカンナ」と「イタリアンカンナ」に分かれます。
フレンチカンナはよく見かけるカンナです。真赤な花のアメリカンレッドクロス、白花のユーレカ、黄色に赤い斑点のあるアン・アーファンなど。草丈1.5mの花が大きな種類です。19世紀にフランスで作られました。
イタリアンカンナは19世紀にイタリアで作られた大型の品種(2~2.5m)です。花が小ぶりで種もできません。
園芸品種
今では交配が進み沢山のができています。
カラーリーフ・カンナは葉を楽しむカンナで雰囲気ががらりと変わります。
カンナ・オーストラリア・・草丈40~50cmの矮性タイプ。シックな銅葉
カンナ・ターバン・・赤い縞模様から緑色の縞模様に変化します。
カンナ・トロピカーナ・・大型のタイプ、緑色に黄色い縞模様(ゴールド)や燃えるような濃い銅葉(ブラック)があります。
トロピカルシリーズは40~50cmの矮性種で、実生でその年に開花し花色もピンク、白、黄色、赤とカラフルです。狭い庭にぴったりです。