自然教育園 生き物 チョウ目

シジミチョウ科~ヤマトシジミ(大和小灰蝶)

ヤマトシジミ(大和小灰蝶、大和蜆蝶)は、カタバミとともに、私たちの周りによく見かける小型の蝶です。

ヤマトシジミ

ヤマトシジミ

7月24日・自然教育園

  • チョウ目シジミチョウ科ヒメシジミ亜科
  • 分布 本州以南
  • 前翅長 8~16mm
  • 出現期 3~11月
  • 幼虫の食草 カタバミの葉 成虫の食べ物 花の蜜
  • 完全変態
  • 越冬 幼虫
ヤマトシジミ

8月16日・自然教育園

 

頭部は半球形、複眼は灰色、触角は先端部が黒色、基部から中央部にかけては黒色と灰色の縞模様になっています。雄と雌では翅色が異なります。翅裏はほぼ同一で灰褐色の地色に円形もしくは「く」の字の黒色の斑紋があります。地色は雄の方がやや青みを帯びています。腹部は10節、背中側は黒色、腹側は灰色です。

ヤマトシジミの雄の羽の表側はきれいな青色、周りに細い黒い縁があります

♂・10月18日

 

雄の羽の表側はきれいな青色、青白色、外縁部に細い黒い縁があります。光の当たり方で色々な青が現れて綺麗です。翅裏には発香鱗があります。

ヤマトシジミ♂

10月26日・自然教育園

 

記録的な気温の低下の後の暖かいお日様に、ずっと翅を開いて日光浴をしていました。

ヤマトシジミ♀

♀・8月15日・自然教育園

 

雌の翅の表側は黒っぽく青い範囲は少しです。

「ヤマトシジミ

低温期型♀・11月8日・自然教育園

 

低温期型のメスは翅の一部に鮮やかな青い鱗粉が入ります。

生態

ヤマトシジミの交尾

交尾・7月23日・自然教育園

 

ヤマトシジミは葉裏に1個産卵し、幼虫はカタバミを食べて成長します。カタバミがないと生きていけない蝶です。4月上旬~11月下旬年に5~6回発生します。卵の期間5~6日、幼虫の時期は2週間、この間4齢(終齢)まで脱皮をし、蛹になります。6日で羽化し成虫の活動期間は2週間。気温が低い時期はもう少し時間を要します。3齢または終齢幼虫で越冬します。
卵は0.4mm、1齢幼虫は1mm、終齢幼虫は10mm、蛹は10mmの米粒状の黄緑色、幼虫の色は食べる葉の色に左右されようです。

エゾタチカタバミ、ウスアカカタバミは食卓ですが外来種のムラサキカタバミ、イモカタバミは食卓になりません。幼虫とアリは切り離せません。おしりの蜜腺から出す甘い汁を目当てにアリが寄ってきます。アリを呼ぶのはサムライコマユバチなどのハチやハエから守ってもらう共生関係です。トビイロシワアリはせっせと警備、蛹になって蜜をもらえなくなっても世話をすることもあるそうです。

関連記事

食卓のカタバミは

カタバミ
カタバミ科~カタバミの仲間達

世界中に自生し、道端などに普通にみられるカタバミは沢山の名前で呼ばれています。一方の葉が欠けているように見えるので片喰(かたばみ)、茎や葉が酸っぱいので酢漿草(かたばみ)。仏具などを磨くのに使っていた ...

続きを見る

サムライコマユバチはチョウやガには天敵

モモスズメ
スズメガ科~モモスズメと寄生蜂のサムライコマユバチ

サクランボの木から肩に当たってぼたりと落ちたのはモモスズメでした。 交尾・7月21日・自宅庭   朝見かけてから暗くなるまで、時折、翅が少し動く程度でずっと交尾したままの状態でした。上側の腹 ...

続きを見る

-自然教育園, 生き物, チョウ目

Copyright© 奥行き1mの果樹園 , 2024 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.