ヤマトシジミ(大和小灰蝶、大和蜆蝶)は、カタバミとともに、私たちの周りによく見かける小型の蝶です。
ヤマトシジミ
- チョウ目シジミチョウ科ヒメシジミ亜科
- 分布 本州以南
- 前翅長 8~16mm
- 出現期 3~11月
- 幼虫の食草 カタバミの葉 成虫の食べ物 花の蜜
- 完全変態
- 越冬 幼虫
頭部は半球形、複眼は灰色、触角は先端部が黒色、基部から中央部にかけては黒色と灰色の縞模様になっています。雄と雌では翅色が異なります。翅裏はほぼ同一で灰褐色の地色に円形もしくは「く」の字の黒色の斑紋があります。地色は雄の方がやや青みを帯びています。腹部は10節、背中側は黒色、腹側は灰色です。
雄の羽の表側はきれいな青色、青白色、外縁部に細い黒い縁があります。光の当たり方で色々な青が現れて綺麗です。翅裏には発香鱗があります。
記録的な気温の低下の後の暖かいお日様に、ずっと翅を開いて日光浴をしていました。
雌の翅の表側は黒っぽく青い範囲は少しです。
低温期型のメスは翅の一部に鮮やかな青い鱗粉が入ります。
生態
ヤマトシジミは葉裏に1個産卵し、幼虫はカタバミを食べて成長します。カタバミがないと生きていけない蝶です。4月上旬~11月下旬年に5~6回発生します。卵の期間5~6日、幼虫の時期は2週間、この間4齢(終齢)まで脱皮をし、蛹になります。6日で羽化し成虫の活動期間は2週間。気温が低い時期はもう少し時間を要します。3齢または終齢幼虫で越冬します。
卵は0.4mm、1齢幼虫は1mm、終齢幼虫は10mm、蛹は10mmの米粒状の黄緑色、幼虫の色は食べる葉の色に左右されようです。
エゾタチカタバミ、ウスアカカタバミは食卓ですが外来種のムラサキカタバミ、イモカタバミは食卓になりません。幼虫とアリは切り離せません。おしりの蜜腺から出す甘い汁を目当てにアリが寄ってきます。アリを呼ぶのはサムライコマユバチなどのハチやハエから守ってもらう共生関係です。トビイロシワアリはせっせと警備、蛹になって蜜をもらえなくなっても世話をすることもあるそうです。
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