キュウリと神様、キュウリと木瓜紋、キュウリとお祭り、キュウリににまつわる昔話や行事、弘法大師や水神と河童まで、たくさんの話があります。
胡瓜にまつわる話
スサノオノミコトときゅうり
木瓜紋は、日本の五大紋の一つで、成り立ちには諸説あります。きゅうりは関係ないようなのですが、この紋がきゅうりの切り口と似ているとして、様々な信仰や禁忌に結びついています。スサノオノミコトをお祭りしている神社には、きゅうりと結びついたお話が多くあります。八坂神社は全国に分社を持ち、神紋は木瓜紋です。
祇園祭や天王祭は全国で催され、その起源は、疫病などの流行にあり、疫病や災厄をつかさどる神、スサノオノミコトを祀りしずめる御霊会です。神仏習合によりスサノオノミコトとインド由来の神様牛頭天王が同一のものになり、その名も八坂、津島、八雲、氷川、須佐,須賀神社となりました。
日本三大祭りの祇園祭
7月1日、祭りの無事の祈願から1か月の間、八坂神社と須賀神社周辺に限られたことですが、氏子さんたちはきゅうりを食べない習わしがあるそうです。普段でもきゅうりは斜め切りにするそうです。
博多祇園山笠
行事関係者は事故やけがを嫌い、きゅうり断ちをします。1日から15日まで学校の給食のメニーにもないそうです。各地にスサノオがきゅうり畑に隠れて助かったからとか、怪我をしたなどの話できゅうりを作らない、食べなくなった話があります。
鶴岡市の八坂神社の胡瓜祭り
胡瓜を2本奉納して前に奉納されたものを御護符として持ち帰り家族で食べるとはやり病から免れると信じられています。神社にのこったきゅうりは「注連(しめ)おろし」として、地元の方に配られるそうです。封じ胡瓜のお守りもあります。
川越氷川神社内にある八坂神社も
きゅうり2本を持っていき、神輿のきゅうり1本を頂き健康祈願し、天狗の八手であおいでもらって悪魔祓い、獅子頭に頭を噛んでもらって、赤い限定のお守りをもらうという盛りだくさんのお祭りがあります。
岩手県諏訪神社の末社八坂神社
初なりきゅうりを奉納して厄病払い無病息災を祈願するきゅうり天王さん宵宮が盛大に行われます。
弘法大師ときゅうり
「きゅうり加持」とか、「きゅうり封じ」と呼ばれる弘法大師が1200年前に始められた真言密教の秘法があります。人々から災いを取り除いて健康で長生きできるようにと、きゅうりに病苦を封じ込めるというものです。
京都の神光院、五智山蓮華寺、神光院、綾部市宝住寺、など弘法大師ゆかりのお寺で、7月下旬に祈祷がおこなわれています。氏名、年齢、病名、願い事などを書いた紙で護符が差し込まれたきゅうりを包み、ご祈祷の後 、痛いところをさすって、土に埋めたり、川に流したり、きゅうり塚におさめたりします。
河童ときゅうり
河童は水神の零落した姿とされています。私たちにとって水は特別な存在です。きゅうりは初なりの野菜として 「水神信仰」に欠かせないものでした。疫病封じとして、川にきゅうりを流すところや、水神の使者河童にきゅうりを供え、水難や洪水防止の祈願をしたり、日本のどこでも行われていたのでしょう。
全国によくある話の一つ
熊野市飛鳥町は大又川の蛇行する内側で水難事故が絶えない場所でした。ある時、牛を引きずり込もうとしていた河童を引きずり出してふくろだたきにしました、河童は好物のきゅうりを作らなければもう出てこないと約束したので、以後きゅうりを作らなくなりました。三百年約束を守ってきた集落が、三十年前、話し合いを重ね、禁を解き祈願の経本の代わりに碑を立てて、きゅうりの栽培を始めました。
こうした様々な言い伝えや風習は私たちが生きてきた知恵や戒めなのでしょう。してはいけないという事には違う意味が隠されているのかもしれません。
遠野に、火事になったとき河童が火を消して狛犬になって守っている常堅寺があります。その裏手にあるカッパ淵、祠もあってお祀りしているけど、河童を釣る竿がおいてあるそうな。遠野物語、読んでみたくなりました。
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