胸に黄色い毛を持つある大きな丸っこい黒いハチ、大人しいのですが、さすがにブーンという大きな羽音にはちょっとびっくりしますね。
クマバチ
- ハチ目ミツバチ科クマバチ亜科
- 在来種
- 分布 北海道、本州、四国、九州の低山地や市街地
- 大きさ 23~30mm
- 出現期 4~10月 2化
- 成虫の食べ物 花の蜜 花粉 幼虫は巣の中の花粉団子
- 越冬 成虫
- 英名 カーペンター・ビー 巣を竹垣や木に作ることから。
黒い大きな体に体毛が多いのでクマバチ(熊蜂)の名が付きました。日本で確認されている在来種は5種、クマバチと呼ばれているのはキムネクマバチです。地色は黒色、ずんぐりとしたフォルム、胸部には黄色い毛が密生していて、これがチャームポイントです。翅は体に比して小さめ、黒ずんだ、艶のある飴色です。
雌
雌は額が広く黒色、複眼は切れ長、触角は黒色。
巣を作る時に木をかみ砕くので立派な顎を持っています。脚は黒色、長い毛が密生しています。雌は毒針を持ちます。
クマバチは口吻が太く短く、しばしば花の根元に口吻を刺し、花が期待している花粉の仲介をせずに蜜盗をします。
雄
雄は複眼が丸く大きく額が狭く三角形に黄白色の毛が密生しています。雄には毒針はありません。繁殖期になると雄は低空をホバリングしながら雌を待ちます。接近するものは雌かどうか確かめるために追跡する習性がありますが、人間には興味はありません。
生態
クマバチを待つ花があります。例えばフジはがっちりと蜜を守っていてクマバチのような力強さがないと、花をこじ開けられません。花弁を開き、蜜を飲もうとして花柱や葯に胸部や腹部が接して花粉を媒介します。トケイソウや、クスノキもクマバチを待っています。
初夏には雌は枯れ木や柔らかな木に穴をあけて縦穴の巣を作ります。1室に花粉と蜜からできた団子を卵1個をセットにして仕切りのある部屋が縦に並びます。初夏に羽化した未成熟な成虫は瞬くこの巣に残り、親から食べ物を貰うという珍しい社会性を持ちます。巣は数年にわたって受け継がれます。新成虫はそのまま巣の中で越冬し、翌年繁殖を行います。1年ほどの命です。