万葉の頃から日本人に親しまれている花、4月から5月にかけて、一斉に華やぎます。
キリシマツツジ(霧島躑躅)
2~3cmと小ぶりながら目の覚めるような赤い花が葉も見えないほどびっしり。
枝先に2、3個の花をつけ、花径は2~3cmほど。萼片は小ぶりで5片、雄しべは5本。先端が上向きます。
大きくて尖った春葉と夏から出る厚みのある幅広い2~3cmの小ぶりな葉があります。秋には紅葉する半常緑樹です。12月だというのにまだ花を付けています。種は卵形で硬い毛が多く熟すると下部が裂け飛び散ります。
九州南部に自生するヤマツツジとミヤマキリシマ(深山霧島)との交雑種を起源として、江戸時代後期に駒込染井や大久保で品種改良されました。江戸大火が加速させた園芸ブームのツツジの部門のスター、植木商「伊藤伊兵衛」は自らの屋号をツツジの品種名から「霧島」としました。育てやすく庶民に親しまれました。各地に古木が多く残り、また品種改良により白からピンク、赤、また形も様々です。盆栽にできます。
ヒラドツツジ(平戸躑躅)
花径が5~12cmと大輪の花を枝先に2~5個つけます。雄しべは10本で長く先が上向きに伸びています。上部の花弁に濃赤のブロッチ(斑点)が目立ちます。葉は明るい緑で長楕円形表面や茎に軟毛があります。
長崎県平戸市で栽培されてきた、琉球のケラマツツジ、モチツツジ、キシツツジの交配によって生まれた品種です。花色は白、桃、赤、赤紫など。刈り込み強く萌芽力も強いので公園や街路樹、生垣などに使われお馴染みの品種です。寒さや乾燥には弱い品種です。
ミツバツツジ(三葉躑躅)
ミツマタツツジの花は透明感と楚々としていながら艶めかしさも感じます。
花茎は3~4cm、枝先に1~3個の花を付けます。一つ一つの花が、浮いているように見えます。雄しべは5~10本。長く伸びて先が巻くように上に向きます。
ミツバの名の由来が花が終わった後に出てくる葉の付き方にあります。枝先に3枚の葉が輪生します。一枚が遅れて大きくなります。丸卵形で葉長は3~6cm、冬には落葉します。種は熟すると下部が裂け飛び散ります。
ツツジはアジアの花、ネパールの国花です。