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ムラサキ科~キュウリグサ(胡瓜草)

蕾はピンク色、花は淡青色、白に黄色と、素晴らしい色の組み合わせの小さくて愛らしい花です。キュウリグサは葉や茎を揉むとキュウリのような匂いがするところから付いた名前です。キュウリは平安時代から栽培されていましたが、今と違い熟したキュウリを食べていました。江戸末期の品種改良される前は苦くてまずい野菜でした。この名前の付いた由来の匂いはどんなものだったのでしょうか。

花が咲く前の葉や茎は山菜として春を楽しむそうです。特に美味しくはないそうですが。また全草を乾燥させて利尿剤として使われるそうです。

キュウリグサの特徴

薄青色の花弁に黄色の副冠、のキュウリグサ

ムラサキ科キュウリグサ属のキュウリグサ(胡瓜草)。別名タビラコです。アジアの温帯地方に分布し、日本には古くに麦と一緒に渡来した史前帰化植物です。北海道から沖縄まで広がっています。

キュウリグサ

秋に発芽してロゼット状で冬越しをします。花が咲く頃にはこのロゼットは枯れてしまします。

山菜にもなるキュウリグサの葉

草丈は10~20cm。根元の葉は長い柄があって卵形、茎に付く葉は柄がなく長い楕円形で互生です。

キュウリグサ葉裏

葉裏です。葉の両面、茎や蕚にも伏毛があります。

キュウリグサ

花期は3月から5月。サソリ型花序(巻散花序)と呼ばれ、蕾の間は先端がくるっと丸まっています。花が下から次々と咲いていくにつれ巻いていた花序は真っすぐに伸びていきます。これはムラサキ科の特徴です。

副冠が黄色から白色に変わるキュウリグサ

3mm程の小さな淡い青色の先が5つに分かれた合弁花です。副花冠は5つの副鱗片があり、内側に雌しべと5本の雄しべがあります。花びらの色は最初は薄く段々濃くなります。逆に副花冠は最初は黄色、そのあと白くなります。

果実

4つに分果したキュウリグサの種

種は4つに分果します。丸みにある三角錐で幅は1mm、突起があります。

似た植物

ミズタビラコ  花序は2本、白から淡青色の花で副花冠は白色。

ノハラムラサキ 中央部に5本の白色のふくらみがある。

ハナイバナ   葉腋に一つずつ花が付く。淡青色の花の花冠は白色。葉に皺がある。

ハナイバナ

ハナイバナ

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