オオワタムシの一種
晩秋の一時ふわふわと舞う小さなワタムシ。手を差し出すとふわりと着地します。頼りなげで弱弱しい。
カメムシ目アブラムシ科、大きさは4~5mmほど。蝋物質を纏っています。
不思議な生態
一次宿主の幹などで越冬した卵から第1世代の♀が孵化、新芽や新葉に寄生して吸汁して、5月頃成熟し大型の無翅の成虫(幹母)になります。単為生殖で♀の幼虫を胎生、有翅の移動成虫(第2世代)となり二次宿虫に移動します。
二次宿主の幹の地際や根に寄生、アリとともに共生しながら単為生殖で♀を胎生し世代を重ねます。有翅の♀の成虫が羽化し、一次宿主に移動します。これが晩秋に舞う雪虫、舞っているのは全て♀です。
一次宿主に移ると単為生殖によって♂と♀を成虫胎生します。♂は緑色、♀は卵を1個持ちオレンジ色に見えます。摂食せず交尾をして♀は卵を1個産み付けます。1週間ほどの命です。