ナス科の植物を植えていたところに今年はオクラを植えてみました。
オクラの特徴
原産はアフリカ大陸北東部、世界の温帯から熱帯で栽培されています。日本には江戸時代末期に渡来しました。アオイ科オクラ属の1年草。オクラは英語、和名はアメリカねり、ねりとはトロロアオイのこと。
茎と葉
草丈1~2m。茎は木質化してしっかりと支えるようになります。直根性です。
しっかりとした茎に出たばかりの葉、蕾もついています。
葉は長い葉柄を持ち15~30cm。互生に付きます。掌状に3裂または5裂、これは切れ込みが大きい葉です。赤く見えるのはアントシアニン?
花
葉腋に花径7~8cmの中央が赤い淡黄色の1個の花を付けます。開花は6月下旬から、5枚の萼が合わさって1枚になって外側に細い副萼片が付いています。
萼の基部から蜜が染み出します。よく蟻がたかっています。
花弁には縦筋があり、螺旋状に重なり合っています。5本の雄しべが合着して雌しべと合わさって筒状になりそこに葯が沢山付き、黄色い花粉を沢山出しています。雌しべは5個に分岐し、毛が密集した柱頭だけ突き出しています。柱頭に花粉が付いています。花は朝開いて昼過ぎにはもう巻き込んでしまいます。そしてすぐ落ちるか子房に押し上げられてスポッと抜けるように落ちます。
果実
鮮やかな緑色で5稜の角状で先が尖った蒴果で、表面には細かな短毛がたくさん生えています。5心皮からなり中軸胎座を持ち白く円形の種子が並んでいます。
収穫期は7~10月下旬、もうそろそろ食べ頃です。オクラは花が咲けば必ず果実が実ります。無駄がない。ペクチン、ガラクタン、アラバンなどのねばねば成分を含んでいます。
熟して乾燥した果実は心皮の仕切りの筋で裂けます。種子は褐色で5mmほどの球形細かな皴があります。熟した種子は炒ってコーヒーの代わりにされることもあるそうです。
種類
丸オクラ 断面が円形、粘りが強く大きくなっても硬くなりにくいので生のまま食べられる。沖縄の島オクラが有名。
赤オクラ 赤紫色のオクラ、切り口は黄緑色。茹でるとアントシアニンが水に溶けて青くなる。沖縄県の島の恋は円く細長い。
白オクラ 柔らかくサラダオクラともいわれ淡い緑色。山口県で多く作られる。
ミニオクラ 2~3cmで生やトッピング用。
花オクラはオクラではなくトロロアオイのこと。
育て方
種蒔き
5月、発芽には25℃が必要です。種子は硬く吸水性が悪いので1日水につけてから、直根性なので直播きかポット植で。オクラは高温を好むので定植は気温が高くなってから。
手入れ
一番果ができたら下の葉を摘み取り、脇芽も摘み取ります。倒れやすいので支柱をして土寄せをします。樹勢が強すぎると葉が茂り花の数が減り実も硬くなりやすくなります。反対に弱すぎて一番上で花が咲くと芯止めになるので肥料が必要になります。このコントロールが大変です。曲り果やいぼ果は養水分の不足のサインです。収穫は開花後4~5日で硬くならないうちに。
病害虫
・すす病 茶色の斑点ができて徐々に広がって進状のカビに覆われます。アブラムシ、カイガラムシ、コナジラミなどの吸汁害虫の排せつ物やほこりなどが餌になります。吸汁害虫を取り除かないと解決しません。薬剤散布をします。
・モザイク病 モザイク模様が現れ葉が縮んで変形し落ちます。アブラムシがウイルスを媒介します。抜き取ってしまいます。
・うどん粉病 白く粉を吹いたようにカビが発生します。乾燥した時にカビの胞子が風に乗って飛来し発生します。伝染するので取り除きます。
・食害 コガネムシが葉を食べたりカメムシが果実を吸汁して変形します。オオタバコガの幼虫が果実に潜り込んで食害します。取り除きます。