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ナデシコ科~アグロステンマ(ムギナデシコ)

細かな毛がたくさん生えて優しい白緑色の細い葉にピンク色の花が風に揺れて軽やかです。

アグロステンマの特徴

アグロステンマ

ナデシコ科リクニス属(ムギセンノウ属)の1年草。地中海沿岸から西アジアに分布、麦畑の雑草です。日本には明治時代に麦と共に渡来した帰化植物です。別名ムギセンオウ(麦仙翁)、ムギナデシコ(麦撫子)。ギリシャ語でアグロは、野原、ステンマは王冠、花冠の意味です。

園芸種はアグロステンマ・ギタゴがよく見られます。他に桜貝は草丈100cm、花色は淡いピンク色の品種、パープルクイーンは草丈80cm、花色は赤紫色の品種、オーシャンパールは草丈100cmの花色が白色の品種です。

アグロステンマ

草丈は70~100cm。葉は線形から線形披針形で対生した葉の基部は融合して鞘になります。茎にも葉にも細かな毛、長毛があり白緑色です。

アグロステンマ

花期は5~6月。萼片には長毛があり5~7cmの線形で5裂し、花冠より長く伸びます。基部が合着して円筒形になっています。

アグロステンマ

花径3~5cm、5~7cmの大型のものもあります。花弁は5枚、倒心形でピンク色、縁がやや下垂し、中心部は白色、放射状に縦に黒色の条班が入っています。

アグロステンマの花

雄しべは10本。開きながら伸びてきて葯から花粉を出します。

アグロステンマ

その後5裂した柱頭が伸びてきます。

果実

アグロステンマ

果実は蒴果、先端が開裂し種子が零れます。種子は3mm、黒色で粒状突起があり、サポニン配糖体を含み有毒です。アレロパシー効果で麦の成長阻害物質を出す上にこの有害の種子が散布されることで麦畑の強害雑草として厄介な存在です。

育て方

日当たりの良い水はけのよい場所を好みます。耐寒性もあり、元々は畑の雑草ですから丈夫で土壌は選ばず肥料もあまり必要ではありません。倒れやすいので支柱が必要です。日当たりが悪いと徒長してさらに倒れやすくなります。水やりは葉にかからないように注意します。毛の多い茎や葉は水をためやすく蒸れの原因になり、灰色かび病を誘発す要因になります。種蒔きは9~10月、発芽温度は20℃、箱播きまたは直播き、5粒ほど撒いて間引きします。1週間程度で発芽して発芽率もよく零れ種でもよく育ちます。株間20cm。

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