テントウムシ科マダラテントウムシ亜科。テントウムシの体液にはアルカロイドが含まれているので鳥が嫌います。
オオニジュウヤホシテントウとニジュウヤホシテントウの違い
オオニジュウヤホシテントウ | ニジュウヤホシテントウ | |
分布 | 平均気温14度以北 | 平均気温14度以南 |
大きさ | 7~8mm | 6~7mm |
幼虫 | 白色に棘 | 黄色に黒い棘 |
斑紋 | 大きい | 小さい |
前胸背版の紋 | 縦に長く大きい | 横に長い |
後肢腿節 | 黒い斑紋がある | 赤褐色で斑紋なし |
発生 | 1~2回 6~9月 | 2~3回 4~10月 |
この2種類は平均気温14度が分布の境界線で、関東地方はその境界線にあって混在します。
ニジュウヤホシテントウ
淡褐色に地に28個の大小の黒色の点を持ちます。全体に灰黄色の短毛に覆われていてくすんだ色をしています。
生態
成虫は落ち葉の下や樹皮の間などで越冬します。4月頃新芽が出ると集まって葉を食べます。
交尾をして雌は葉裏に葯1.5mmの大きさの数十個の卵を産みます。孵化した幼虫は8~9mmで黄色のたわしの様な形に先が分岐した棘があります。終齢幼虫は葉裏などで楕円形の蛹になります。蛹の期間は7日。6~7月に羽化、直後は黄色い翅をしていますが、やがて斑点模様が現れます。10月には越冬場所に移動します。ニジュウヤホシテントウはもう一世代重ねます。
食害
越冬した成虫はまずジャガイモの葉に卵を産みその葉を食べます。ニジュウヤホシテントウは越冬して産んだ卵から羽化した第一世代が周囲のナス科の植物に飛来してナス科の植物を食害し、葉裏に卵を産み第2世代が生まれます。第2世代の幼虫はナス科の植物の葉や果実を食べます。
葉裏から表皮と葉脈だけを残して網目状に几帳面に食べていきます。食べた直後は透明ですが、その後褐色に変化してその部分が抜け落ちていきます。
とても大食漢ですから、生育の遅れにもつながります。葉にとどまらず果実の表面を食べます。幼果の時に食害するとその部分はコルクの様になってしまいます。
大した刺激もしていないのに液体を出しました。
オオニジュウヤホシテントウ
赤褐色の地に28個の黒紋があります。ニジュウヤホシテントウより大型で黒紋も大きく明瞭です。
テントウムシの食性
肉食性 アブラムシやカイガラムシを食べるピカピカのテントウンムシ
菌植性 うどんこ病の菌を食べるキイロテントウ
草食性 ナス科の植物を食べるテントウムシダマシ、
インゲンテントウ、ジュウニマンダラテントウ等
駆除
- 草食性のテントウムシダマシは人間から見たら害虫、厄介者です。
- 卵を見つけたらすぐ取り去りましょう。成虫は動きが鈍いので簡単につかまります。
- 小さくてもよく目立つのですぐ見つかります。
- ポロリとすぐ落ちてしまうので下に何か敷いておくといいでしょう。
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