ナス科ペチュニア属の園芸種の総称で次々と新しい品種ができて楽しませてくれます。
ペチュニアの特徴
属名のペチュニアはブラジルの現地語グアラニ語のペチュンからつけられました。意味はタバコ、タバコの花に似ているからと言われています。
葉
草丈は10~30cm、茎は匍匐性があり分岐して多数枝分かれします。葉は柔らかく卵形、全縁で対生に付きます。茎や葉に細かな粘液を出す腺毛があり表面はべたべたしています。原産地の南米では葉を食害するハキリアリが生息していて葉に登れないよう変化したと考えられています。アブラムシや病害虫から守る役目も果たしているようです。
花
花期は4~10月。花色は紫、紅色、ピンク色、白色、黄色、黒色まで。単色、グラデーション、赤色、ピンク、紫色に白色の覆輪や放射状の模様が入るもの、ナイトスカイやベイビードールのように水しぶきのような白色の斑紋の入るものなど多様です。花弁の縁は平らなものや波打つもの、八重咲もあります。八重咲品種を最初に商業化したのは日本のサカタ、戦前のことです。
バカラは代表的な品種です。中輪で花弁は厚みがあり雨に強い性質を持っています。萼は筒状鐘形で5深裂し、花冠は漏斗型、花弁は5裂、円形、または先が尖っています。雄しべは5本、花冠筒部に合着しています。
育て方
水はけのよい日当たりの良い場所が適しています。植え付け(7~9月)から2~3週間の間に2~3度の摘心をします。摘心は脇芽の上で、ペチュニアは成長が旺盛でこんもりと茂ります。株元を葉が覆ってしまうと病気の原因になるので、時々半分ほどに切り戻します。花は水に弱いので水やりに注意します。寒さに弱い品種が多く1年草として扱われますが、日当たりの良い室内で管理すると冬を越すことができます。ナス科の植物は連作を嫌います。
増やし方
ペチュニアは種から育てる実生系と挿し木から育てる栄養系があります。実生系の代表的なものはバカラ、栄養系の代表的なものはサフィニア。サフィニアはサントリーと京成バラ園が共同開発された品種です。種蒔きは4~5月、9月、覆土しません。9月に種を蒔く場合は室内で年越しをして春に植え付けます。挿し芽は3~7月、9~10月に。
病害虫
ハモグリバエの幼虫 葉に生み付けられた卵から孵化した蛆虫状の幼虫が葉を食害し葉に白い線が入ります。
ナメクジ 柔らかい新芽や花芽を食害します。冬は地中や敷き藁の下などで越冬して春にプランターの底などに20~60個産卵します。取り除きます。
アブラムシ 排泄物が病気の原因になります。
灰色カビ病 雨が続いたり風通しが悪いことが原因になります。花がらや枯れた葉を取り除きます。
ペチュニアとカリブラコア
ペチュニアとカリブラコアは以前は同じ属に所属していた近い品種で今かけ合わせた品種も作られています。その違いは
- ペチュニアは生育が早く何度か摘心をして枝数を増やす。カリブラコアは成長が遅く何度もできない。
- ペチュニアの花は水に弱い。カリブラコアは気にならない。
- ペチュニアは耐寒性がない。カリブラコアはやや耐寒性がある。
- ペチュニアはべたべたする。カリブラコアはべたべたしない。
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