2019年、自然教育園にキアシドクガが大発生しました。2004年にも大発生し終息に6年ほどかかり、ミズキが60%も減少したそうです。
4月末に幼虫を目にしましたが5月に入ると至る所にうようよ、上からぼたぼた落ちてくるしバックの中に入っていたりで水場に走る人続出。蛹は奇麗な黄色に黒い斑紋、そして成虫は白い儚げなきれいな蝶のよう、ひらひらと舞っていました。ドクガ科ですが毒はありません。
キアシドクガ
- チョウ目ドクガ科
- 分布 北海道、本州、四国、九州
- 開帳 50~57mm
- 出現期 5~6月 年1化
- 幼虫の食べ物 ミズキ、クマノミズキ、エゴノキの葉
- 完全変態
- 卵で越冬
幼虫
春に孵化しミズキ、クマノミズキ、エゴノキなどの梢に上り葉を食べます。終齢幼虫は35~40mm、黒地に黄色い斑紋があります。天敵はムクドリなどの鳥類や蜘蛛。
蛹
蛹は食草とは関係のない場所や人工物にぶら下がっています。鮮やかな黄色に黒い斑紋があります。約1週間で羽化します。
葉裏に抜け殻がぶら下がっていました。
成虫
翅は白く半透明、雌は前脚と他の脚の先端が橙黄色、雄は前脚のみ橙黄色、他は黒色です。
触角は黒褐色で櫛歯状、雄の方がやや長い。成虫は口吻が退化し、数日の命です。昼行性で食樹の周りで、群れを成してひらひらと飛び、ミズキの幹上で交尾をして産卵します。
止まるときには翅を広げますが、木の上を歩くときは翅を畳みます。
葉の上に落ちている成虫の姿があちこちに。5月末にはもうすっかり姿が見えなくなりました。
幹の表面に産み付けられた卵は膠状の物質で覆われ六角柱で整然と並びます。