見る方向によって花の形がどんどん変わる面白い花がぶら下がっています。キラキラ光って透き通るような萼片が繊細です。ピンク色や白色の花が早春の林床を飾ります。
イカリソウ
メギ科イカリソウ属の多年草
分布 太平洋側の明るい林床
日本固有種
草丈 15~30cm
花期 4月
名の由来 距が突き出した花の形が碇に似ていることから
英名 天使の翼
別名 サンシクヨウソウ(三枝九葉草)葉の付き方から
葉
塊形の地下茎を持ち匍匐する根茎から細長い硬い茎を数本叢生します。葉柄は長く2回3出複葉、小葉は左右非対称の卵形で基部は心形、先端は尖り葉縁には細かい刺状の毛があり、葉裏には開出毛があります。
花が終わり養分を蓄えるように葉が何重にも重なり合っています。冬には枯れます。
花
総状に花序を付けます。萼は花弁状で8枚、外萼片4枚は小さく開花前に脱落します。
花弁は4枚、1.5~2cmの距があり、蜜をためます。自家不稔性です。
こちらは白花です。
十字に伸びているのが距、その裏側に見えるのが内萼片、中央が4枚の花弁。
雌しべ1本、雄しべは4本、花糸も葯も花粉も黄色です。
花色は薄紫、赤紫、ピンク、白色。
アリ散布植物
果実は細長い袋果で5~8個の種子が入っています。種子にはアリを誘因するエライオソームという脂肪物質の付属物が付いています。アリは餌として巣に運び付属物だけ食べて種子を外に放り出します。結果的に種子を遠くへ運んでもらうことになります。
種子は花を付けるまで数年を要します。
自然教育園では武蔵野植物園で3月下旬~4月にイカリソウの花を見られます。