踏みつけてしまった時の強烈なにおい、冴えない名前、強い繁殖力の厄介な雑草という側面もありますが、少し薄暗いところに浮かび上がる爽やかさを感じる白い花は魅力的だし、古くからの民間薬の代表的な存在でもあります。
ドクダミ
- ドクダミ科ドクダミ属の多年草
- 分布 日本全国、東アジアの半日陰や湿地
- 在来種
- 草丈 15~30cm
- 花期 5~7月
- 別名 十薬(じゅうやく)10の薬効があると言われる
葉
白く細長い円柱形の根茎を分岐して伸ばし群生します。茎はよく分岐してやや赤みを帯びます。
葉は互生、6~8cmの先端が尖った広卵形、暗緑色で時に紅色を帯び無毛です。葉を揉むと独特の臭気があります。デカノイル・アセトアルデヒドによるものです。乾燥すると匂いは消えます。
花
茎上部の葉腋に淡黄色の花を長さ1~3cmの穂状に付け下から咲き上がります。4枚の白い花弁の様な部分は葉が変化した総苞片で花には萼も花弁もありません。
花は1本の雌しべの周りに3本の雄しべがある裸花です。緑色の3室の子房から突起のある花柱が3本出ています。黄色く見えるのが葯、両性花ですが雌しべが欠けた雄性花もあります。
八重のドクダミです。乳白色の斑が入る種もあります。
果実
果序は25mm、花柱が残っています。蒴果で熟すと上部が裂開して網目模様のある茶褐色の1mmにも満たない種子を出します。
虫たち
白い総苞片は昆虫を呼び寄せる為の物でしょうか。日本のドクダミはほぼ3倍体で、昆虫の助けなくても種子を付けることができる単為生殖です。