長く伸ばした茎の先に白い円柱形の花穂が俯いて昆虫たちが訪れています。
ナガボノシロワレモコウ
関東以北の本州から北海道、朝鮮、中国、モンゴル、ロシアの湿原や湿性の草原に生息する在来種で、バラ科ワレモコウ属の多年草です。自然植物園の同じ水生植物園にあるミツガシワと同様に約200万年前の氷河期から生き残った残存植物だと言われています。
葉
4月、畳まれた葉が開いてきました。草丈80~130cm。太い根茎を持ち、茎は太く直立します。
葉は5~15枚の奇数羽状複葉で、小葉は幅5~20mm、長さ3~8cmの広線形、広披針形で三角状の鋸歯があります。
茎葉は幅が細く枚数が減少します。
花
花期は8~10月。上部で分岐した茎頂に長さ3~8cmの円柱形の穂状花序を付け、先端から穂を伸ばしながら下方へ咲き進み、垂れ下がります。花弁はなく先端が淡緑色を帯びた白色の萼片が4枚付きます。萼片は広卵形で先端がやや尖ります。雄しべは4本、萼から長く突き出ます。花糸は白色で扁平、上部は幅が広くなっています。葯は暗紫色、花粉は黄色。花柱は白色、柱頭は淡黄色で乳頭状突起が多数並びます。
沢山の虫たち
ヒメセマダラハナバエでしょうか。
お馴染みホソヒラタアブ。
果実
花後、萼片と雄しべがまだ残っていますが果実が膨らみ始めています。
結実しても萼は残ります。痩果は褐色の倒卵形、4稜あり翼になっています。皺と短毛が見られます。
ナガボノアカワレモコウ
花色が紅色の変種です。
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