ハルジオンは1920年代に観賞用として日本に渡来しました。ハルジオン(春紫苑)は牧野富太郎博士によって名付けられました。別名貧乏草。刈り取りや踏みつけに強く、除草剤のパラコートに耐性ができ、1050年代に関東地方を中心に全国に拡大しました。頼りなく見えますがとても繁殖力が強い植物です。ハルジオンは侵略的外来種ワースト100に入っている要注意外来植物です。柔らかい葉やつぼみは茹でて水にさらしておひたしに、また天ぷらにして食べられます。
ハルジオンの特徴
キク科ムカシヨモギ属。北アメリカ原産の多年草です。
茎 葉
ロゼットで冬を越し、根が横に伸びて予期しないところに芽(不定芽)を出します。切れた根からも芽を出します。茎は中空で30~100cm。根生葉と下部の葉はへら型で、根上葉は花の時期にも残ります。
葉は基部が張り出して茎を抱きます。全体的に軟毛が生えています。
花
花期は5~7月。頭花は2~3cmで中央が黄色い筒状花、外側は8mm程の無数の線状の舌状花です。蕾の時にはうなだれています。虫媒花です。
舌状花の色は日本に来た時は赤紫色だったそうですが、今は白色とピンク色です。
果実
舌状花の冠毛は約2mm、筒状花の冠毛は約2.5mmです。そう果は扁平な倒披針形。沢山の虫たちがやってきました。
ハルジオン(春紫苑)とヒメジョオン(姫女苑)
同じムカシヨモギ属のこの二つはとてもよく似た花です。その違いは?
ハルジオン | ヒメジョオン | |
花期 | 春 | 初夏 |
草丈 | 低い 30~80cm | 高い 50~100cm |
花 | 花径2.5cm 花数が少ない |
花径2cm 花数が多い |
蕾 | 下向き | 上向き |
根上葉 | 花の時期に残る へら型で短い葉柄がある |
花の時期にはない 卵形で長い葉柄がある |
葉 | 葉柄がない 茎を抱く 葉裏に毛がない |
上部の葉は細く全縁 下部の葉は鋸歯 茎は抱かない 葉裏に毛がある |
冠毛 | 長い | 舌状花は短く筒状花は長い |
茎 | 中空 | 白い髄が詰まっている |