同じムカシヨモギ属のこの二つはとてもよく似た花です。その違いは?
ハルジオン(春紫苑)とヒメジョオン(姫女苑)
ハルジオン | ヒメジョオン | |
花期 | 春 | 初夏 |
草丈 | 低い 30~80cm | 高い 50~100cm |
花 | 花径2.5cm 花数が少ない |
花径2cm 花数が多い |
蕾 | 下向き | 上向き |
根上葉 | 花の時期に残る へら型で短い葉柄がある |
花の時期にはない 卵形で長い葉柄がある |
葉 | 葉柄がない 茎を抱く 葉裏に毛がない |
上部の葉は細く全縁 下部の葉は鋸歯 茎は抱かない 葉裏に毛がある |
冠毛 | 長い | 舌状花は短く筒状花は長い |
茎 | 中空 | 白い髄が詰まっている |
ハルジオン
- キク科ムカシヨモギ属の多年草
- 原産地 北アメリカ
1920年代に観賞用として日本に渡来 - 草丈 30~100cm
- 花期 5~7月
- 名付け親 牧野富太郎博士
- 別名 貧乏草
- 侵略的外来種ワースト100に入っている要注意外来植物
白色やピンク色の花は可憐で浅い緑色の葉は柔らかく、頼りなく見えますが、とても繁殖力が強い植物です。刈り取りや踏みつけに強く、除草剤のパラコートに耐性ができ、1050年代に関東地方を中心に全国に拡大しました。柔らかい葉やつぼみは茹でて水にさらしておひたしに、また天ぷらにして食べられます。
茎 葉
ロゼットで冬を越し、根が横に伸びて予期しないところに芽(不定芽)を出します。切れた根からも芽を出します。茎は中空で30~100cm。根生葉と下部の葉はへら型で、根上葉は花の時期にも残ります。
茎葉は互生、基部が張り出して茎を抱きます。全体的に軟毛が生えています。
花
頭花は2~3cmで中央が黄色い筒状花、外側は8mm程の無数の線状の舌状花です。蕾の時にはうなだれています。虫媒花です。
舌状花の色は日本に来た時は赤紫色だったそうですが、今は白色とピンク色です。
果実
舌状花の冠毛は約2mm、筒状花の冠毛は約2.5mmです。そう果は扁平な倒披針形。沢山の虫たちがやってきました。
ヒメジョオン
- キク科ムカシヨモギ属の1,2年草
- 原産 北アメリカ
江戸末期に観賞用として渡来し明治初期には雑草化し全国に広がる - 草丈 50~100cm
- 花期 5~10月
- 別名 ゴイシングサ(御維新草) サイゴウグサ(西郷草)
- 侵略的外来種ワースト100に入っている要注意外来植物
葉
茎は白い髄があり直立し疎らに直立した長毛があります。根生葉は長い葉柄を持つ卵形で深い鋸歯を持ち花期には無くなります。茎葉は互生、披針形、先端は尖り、基部は細くなり茎は抱きません。上部は全縁、下部は疎らに鋸歯があり、縁と脈上に直立した長毛があります。
葉裏の様子
花
上部で分岐し2cm程の頭状花を多数付けます。蕾はうな垂れません。舌状花は白色もしくは淡紫色で100個ほど付け、雌性花で雄しべはありません。中央は筒状花で先端は5裂し長い冠毛があります。
総苞片は5mmほどの披針形から線形披針形で2~3列に並び、疎らに長い毛があります。
果実
痩果で冠毛があります。