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アカバナ科~メマツヨイグサ・マツヨイグサ・コマツヨイグサ

鳥の落とし物でしょうか、試しに育ててみたら初夏の夕方に開いた黄色い花はふんわり優しい花でした。名前も詩的です。

メマツヨイグサ

メマツヨイグサの花

北アメリカ原産のアカバナ科マツヨイグサ属の越年草です。先に渡来していたマツヨイグサ、オオマツヨイグサを駆逐しそうな勢いで要注意外来生物に指定されている一番よくみられる種類です。この種類が薬剤の耐性を獲得したことで増えたようです。夕方から開花することから待宵草、オオマツヨイグサに比べて花が小さいことからメマツヨイグサ(雌待宵草)の名が付きました。

メマツヨイグサ

草丈50~200cm。秋に出たロゼッタで冬越しします。根生葉は有柄で先が尖ります。茎は直立し赤みを帯びて長短の上向きの毛が密生します。茎葉は無柄、長さ5~20cmの披針形から長楕円形で先端が尖り浅い鋸歯があります。中央脈が赤みを帯びることがあります。

メマツヨイグサの花

花期6~9月。葉腋に1個ずつ花を付け、茎が伸びるとともに沢山の花を付けます。花は夕方に開花し、朝には枯れる一日花です。花径約2~3cmの黄色い4弁花で、先端が凹みます。萼は4枚、淡緑色で下方に反り返ります。花柄に見える部分は花と子房をつなぐ2~4cmの花托筒と呼ばれるものでこの花の特徴です。花後には落ちます。夏が終わりに近づくと日中も花がみられるようになります。何故でしょうか。

メマツヨイグサの花

雄しべは8本、柱頭は4分岐します。花粉は媒介者によく付くように糸状に繋がっています。

果実

メマツヨイグサの果実

果実は2~4cmの四角い筒状で4室に分かれ横向きにぎっしりと種子が詰まっています。蒴果で熟すと先端が4裂し種子が零れます。

メマツヨイグサの種子

1~2mmの褐色の種子は角張っていて皺があります。

マツヨイグサ

南アメリカ原産のアカバナ科マツヨイグサ属の帰化種でマツヨイグサの仲間の中で一番早く渡来しました。

マツヨイグサ

草丈25~100cm。茎は直立し赤みを帯び全体的に毛が多い。茎葉は互生、無柄で長さ6~12cmの線形披針形、先端は尖り、荒い鋸歯があります。緑が濃く、白色の中央脈が目立ちます。上部の葉は無柄で短い三角状です。根生葉は花時にも残ります。

マツヨイグサの蕾

花期4~5月。蕾です。

マツヨイグサの蕾

花は夕方開花する一日花です。萼片には赤い縦線が入ります。

マツヨイグサの花

花径3~4cmの黄色い4弁花で花弁は倒広卵形で先端が窪んでいます。

マツヨイグサの花

花弁の基部が赤色を帯びています。雄しべは8本、柱頭は4分岐しています。

マツヨイグサ

花が萎むと赤みを帯びたオレンジ色になります。花柄に見える部分は長さ2~4cmの花托筒で子房と花を繋いでいます。下部の茶色い部分が果実になります。

果実

マツヨイグサの果実

果実は長さ3~4cmの円筒形の蒴果です。熟すと先端が4裂し裂片は反曲し種子を散布します。種子は淡褐色で長さ1.5~2mm。

コマツヨイグサ

北アメリカ原産、アカバナ科マツヨイグサ属の越年草です。

コマツヨイグサの葉

草丈20~50cm茎は地を這い斜上し毛が密生しています。根生葉は葉柄がありへら型、茎葉は葉柄は無く2~10cmの倒披針形から長楕円形、羽状に浅裂~中裂から全縁まであります。両面に毛が密生します。

コマツヨイグサ

花期5~10月。葉腋に1~2.5cmの淡黄色の4弁花が単生します。花弁は先端が窪み一部重なり合うように付いています。萼片は4枚、5~15mmの線形披針形で開花すると下向きに垂れ下がります。雄しべは8本、柱頭は4分岐します。花托筒は12~35mmの円筒形。

コマツヨイグサの花

萎むとやや赤色を帯びます。夕方に開花する一日花です。

果実

コマツヨイグサの果実

果実は長さ3~5cmの円筒形の蒴果で上向きの毛があり湾曲します。

コマツヨイグサの果実

4室あり、熟すと先端が4裂し種子が散布されます。種子は長さ1.5mm、淡褐色で細かな凹凸があります。

受粉の工夫

花が夕方に開くのは受粉を夜行性のスズメガなどに頼っているからです。スズメガなどは口吻が長くホバリングしながら蜜を吸うので花粉を運ばない蜜泥棒になってしまいます。そこで蜜を長い花托筒に下部に貯めることによって花粉を近づけて付けるチャンスを得ました。しかも花粉は粘着糸によってゆるく繋げ付着しやすくなっています。

似た花の特徴

マツヨイグサ

南アメリカ原産
草丈  25~100cmで1本立ち
葉   線状披針形 荒い鋸歯 白色の中央脈が目立つ
花期  4~5月
花   3~4cm、黄色い花、基部が赤みを帯びる  萎むとオレンジ色
萼   赤い縦線が入る 下方に反り返る

メマツヨイグサ

北アメリカ原産
草丈  50~200cm 1本立ちもしくは上部で分岐
葉   披針形から長楕円形 浅い鋸歯 中央脈が赤みを帯びる
花期  6~9月
花   2~3cm、黄色い花 萎んでも赤くならない
萼   淡緑色 下方に反り返る

オオマツヨイグサ

ヨーロッパ原産
草丈  80~150cm 1本立ち 基部に暗赤色の凸点のある開出毛がある
葉   長楕円形 縁が波打つ
花期  7~9月
花   6~8cm 黄色い花 上部に沢山の花を付ける 萎んでも赤くならない
萼   赤みを帯びる

コマツヨイグサ

北アメリカ原産
草丈  20~50cm 茎は地を這う
葉   披針形から長楕円形 羽状に浅裂することがある
花期  5~10月
花   1~2cm 淡黄色の花 萎むとやや赤みを帯びる
萼   下に垂れ下がる

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