春から秋にかけて涼やかで可愛い花を咲かせます。
特徴
スイカズラ科マツムシソウ属の越年草、高所では多年草です。南アフリカ原産でヨーロッパからアジアにかけて約80種類が分布しています。日本には固有種のマツムシソウがあり、西洋マツムシソウとも呼ばれます。名前の由来は・松虫草ー花の散った後が仏具の松虫に似ているから・スカビオサ・ーラテン語で「疥癬」の意味、病気の治療に使われていたらしい。・ピンクッション・ー手芸の針山に似ているから。
葉
草丈は20cm(矮性種)~100cm。根際から出る葉は羽状のロゼッタ状で、茎に付く葉は対生で細く深く裂けています。葉の表面や縁にはまばらに長い毛が生えています。裏面には短毛が密集し、葉脈上に長い毛がまばらに生えています。
花
頭花は4~7cmで、小さな花の集まりです。花色は青、紫、白、ピンク、黄色など。総苞篇は線状です。中央は小さな筒状花、外側の花冠は深く5裂し、外側の3つが長く伸びて花を縁取っています。雄しべは4本、花糸は淡青色、葯は淡紫色、花粉は白色。雌しべは1本、柱頭は頭状。外側から内側に咲き進みます。雄性先熟で、葯が花粉を出しきると柱頭が長くなります。
果実
6月、こんな変わった果実ができました。萼片は5~8枚、刺状で果実の頃まで残ります。痩果は杯状の小苞に包まれて4mmの筒状になります。
育て方
日当たりを好み、高温多湿が苦手です。夏は風通しを良くし、マルチングをして泥跳ね防止と地面の温度を下げます。咲き終わった花は摘み取り、一通り花が終われば切り戻すとまた枝を出します。耐寒性は強く外で越冬できます。乾燥に強く過湿が苦手なので成長期以外は乾かし気味にします。
増やし方
1.2年草は9月に種まきで、多年草は春に株分け、挿し芽で増やします。
病害虫
灰色かび病にかかると葉や花茎に斑点が広がりカビが生え、枯れます。高温多湿が原因です。取り除きます。
種類
マツムシソウ(松虫草)
日本固有の自生種、高性の1年草で秋に青い花を咲かせます。レッドリストに載っています。
タカネマツムシソウ (高嶺松虫草)
マツムシソウの変異種、高山でみられることから別名、ミヤママツムシソウ(深山松虫草)多年草で小型だが、花は大きくその群生は見事。
セイヨウマツムシソウ (西洋松虫草)
多年草、スカビオサと呼ばれている園芸種で花色が多い。
コーカシア(コーカサスマツムシソウ)
コーカサス原産の高性の多年草、花が6~8cmと大きい。白い品種アルバなど。
アトロプルプレア
高性の多年草、花色も多く中央部が盛り上がる品種、八重咲きは球形になる。
ステラータ
花は白く小さいが果実を鑑賞する品種。切り花に使われる。ステルンクーゲル(星の球)ファンタジーとも呼ばれる。