背丈を超えるほどにすくっと伸びて、刺のある大きな葉を広く伸ばし、とげとげで、アザミらしいピンク色の花を付ける存在感たっぷりの秋のアザミです。
タイアザミ
- キク科アザミ属の多年草
- 中部地方以北、東北地方を中心に分布するナンブアザミの変種
- 分布 本州、主に関東地方の山野や林縁、日当たりの良い場所
- 在来種
- 草丈 1~2m
- 花期 9~11月
- 果期 10~1月
- 別名 トネアザミ(利根薊)
葉
茎は直立し、上部でよく分岐します。葉は互生、20~40cmの楕円状披針形の羽状複葉で中裂、深裂します。先端は尖り長く鋭い刺があります。茎は抱きません。秋に顔を出したロゼッタで冬を越します。花期には枯れます。
花
鐘形の淡紅色の頭花は1.5~2cm、長い花柄の先に横向き、やや下向に付きます。総苞片は先端が尖り反曲しクモ毛があります。
雄性先熟という仕組みで自家受粉を防いでいます。花は筒状花のみで花冠は5裂、雄しべは濃紅色で筒状になりその中央に雌しべがあります。
受粉の仕組み
昆虫が花に触れると、雄しべの下部の白い糸を刺激して縮むことで筒状になった集葯雄しべが押し下げられて花粉が押し出されてきます。雄しべから突き出しているのが淡紅色の雌しべです。雌しべの下部には上向きの集粉毛が密生していて花粉が下部に落ちるのを防いでいて花粉を押し出します。花粉はべとべとしていて昆虫の体について運ばれます。昆虫が来る時だけ花粉を出して大切な花粉を無駄にしません。雄しべが花粉が出し終わったら、雌しべは先端が2裂して昆虫によって運ばれる他の花の花粉を待ちます。
イチモンジセセリがよく来ていました。
果実
約2mmの痩果で、淡褐色の長い羽毛状の冠毛があります。風の乗って運ばれます。