自然教育園 野草 雑草 ひっつき虫 植物の構造

アカネ科~ヤエムグラ(八重葎)とヨツバムグラ(四葉葎)

トゲトゲ、ザラザラのひっつき虫達です。

ヤエムグラ

  • アカネ科ヤエムグラ属の越年草
  • 分布 日本全国、中国、アフリカ、ユーラシア、地中海沿岸の道端や荒地
  • 在来種 史前帰化植物
  • 草丈 60~90cm
  • 花期 5~6月
  • 名前の由来 葉が重なるように生えることから「八重」、群がって茂ることから「葎」
  • タンニンを含み血管の収斂作用により皮膚の炎症が緩和される

茎 葉

ヤエムグラ

秋に芽生えた頃の葉は丸く先端の突起も目立ちません。春になると葉の間が伸びてぐんぐん大きくなります。茎は柔らかく4稜形、稜の上には下向きの刺があります。茎は自立できず、この刺で他の植物に引っ掛かりもたれ掛かって伸びていきます。

ヤエムグラ

上の写真は葉が6枚。次第に葉の数も増えて最終的には6~8枚になり輪生につきます。

ヤエムグラ

8枚の内、葉は1対だけで6枚は托葉が変化したもので「偽輪生」と呼びます。葉の長さは10~30mm、幅2~5mmの倒披針形で先に刺状の突起が下向きにあります。葉の縁と葉裏に逆向きの刺があります。

ヤエムグラ

葉腋から花序を出して黄緑色の2mmの小さな花を付けます。花冠は4裂し4本の雄しべがあります。葯は茶褐色、裂けると黄色になります。花柱は短く先が2裂していて白色。花冠の下に2個の球形の子房があります。

ヤエムグラ

果実

ヤエムグラの果実

果実は2分果で2mmの大きさ、熟すと黒色になります。かぎ状の突起があり衣服や動物に付いて運ばれます。夏には枯れます。

ヨツバムグラ

  • アカネ科ヤエムグラ属の多年草
  • 分布 北海道から九州、中国、朝鮮半島
  • 在来種
  • 草丈20~40cm
  • 花期 5~6月

茎・葉

ヨツバムグラ

茎は4稜形、葉は4枚、内2枚は托葉が変化したもので偽輪生します。葉は幅3~6mm、長さ5~15mm、長楕円形から卵形で先端が短くとがります。縁や裏側に白毛があります。

ヨツバムグラ

茎頂や葉腋に短い花柄を出し淡黄緑色の小さな花を数個付けます。花径1mmで花冠は4裂しています。

果実

ヨツバムグラ

果実は1mmの分果が対になって付きます。小さな突起があります。

関連記事

ヨツバムグラとよく似たキクムグラです。

アカネ科~キクムグラ(菊葎)

葎らしい葉に点のような小さな白い花を付けます。 キクムグラ アカネ科ヤエムグラ属の多年草 分布 北海道、本州、四国、九州の山地や林縁 草丈 20~40cm 花期 5~6月 日本固有種 葉 茎は無毛、基 ...

続きを見る

-自然教育園, 野草 雑草, ひっつき虫, 植物の構造

Copyright© 奥行き1mの果樹園 , 2024 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.