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カバノキ科~イヌシデ(犬四手・犬紙垂)

春には柔らかな葉とともに赤みを帯びた花序を沢山ぶら下げてとてもにぎやか、花粉を出し終えると落下してその上を歩いてみるとふわふわとした感触が足裏に伝わります。秋には面白い形の苞に包まれた地味な果実ができてやがて葉は黄色になって落葉します。犬とは毛の多いこと、四手は白紙で作られた玉串や注連縄に垂らす紙のことで花穂が似ていることから付けられました。

イヌシデの特徴

カバノキ科クマシデ属の落葉高木で岩手県以南の本州、四国、九州の山野に自生する在来種です。

幹 枝

灰白色で縦筋の模様が入るイヌシデの幹

直径30cm、高さ15~20mになります。樹皮は平滑で灰白色、鮮明な縦筋の模様が入ります。老木になると浅い割れ目が入ります。木質は硬く薪には向きませんがシイタケの榾木などに利用されています。

イヌシデの淡赤褐色の枝には円い白い皮目があり雄花序が付いています

1年目の枝は淡緑色で白い毛が密生し、2年目以降の枝は淡褐色で白い皮目があります。雄花序が付いています。

光沢はなく長楕円形で先が尖り鋸歯があるイヌシデの葉

光沢はなく長楕円形で先端は鋭く尖り、基部は楔型、縁には鋭く細かい重鋸歯があります。幅2~5cm、葉身4~12cm、互生に付きます。葉柄は1cm、淡褐色の細かな毛が密生しています。葉表裏とも毛が多く葉裏は葉脈がくっきり出て葉脈上、脈腋に毛が密生しています。秋には黄葉します。

イヌシデの黄葉

花期は4~5月、葉の展開と同時に開花します。雌雄同株です。

雄花序

イヌシデの雄花序、1個の苞に長毛が生えた1個の雄花が付いています

前年度の枝から5~8cmの花序が垂れ下がり、1個の苞に1個の雄花が付いています。先の尖った円形の苞の縁には毛が生え、数本の雄しべの葯の先には長毛が生えています。花粉を出し終わると落下します。

雌花序

1年目の枝先や短枝の腋から垂れ下がり、一対の苞の下に一対の小苞があり、1つの小苞に1つの雌花が付き、段を重ねます。花柱は赤色で2裂します。

果実

イヌシデ・一対の苞の基部に2個の果実が付き先端には2裂した花柱が残っている

まだ若い果実です。果穂は長さ4~10cm、一対の苞の基部には2個の果実が付き段々に並んでいます。苞の柄には軟毛が密生し、果実の先端には2裂した花柱が残っています。1.5~3cmの苞は半長卵形で内側は全縁で内側に巻き、果実を抱いています。外側は不規則な鋸歯があり、先端は鋭く尖っています。9~10月に果実は熟して苞が翼の代わりになってヘリコプターのようにくるくる回りながら飛んでいきます。果実は5mmの扁平な広卵形の堅果で、表面に10本ほどの縦の筋が入っています。

変わった形の苞に包まれた縦に筋が入ったイヌシデの堅果

冬芽

イヌシデの冬芽、

紡錘形の冬芽、葉、雄花序、雌花序と葉が一緒になった芽があります。

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