関西ではお墓や仏壇の供花として身近でしたが、花や実を目にすることはありませんでした。少し捻じれた淡黄白色の花は、思いの外、華やかでした。
シキミ
- マツブサ科シキミ属の常緑小高木
- 分布 東北南部以西の本州、四国、九州、沖縄 朝鮮、台湾
- 樹高 2~5m
- 花期 3~4月
- 果期 9~10月
- 有毒 毒物及び劇物取締法で劇物に
- 毒成分 神経毒のアニサチン、ネオアニサチン
- 症状 嘔吐、腹痛、下痢、痙攣、意識障害 死に至ることもある
- 別名 シキビ ハナノキ ハカバナ ブツゼンソウ コウノキ コウシバ コウノハナ マッコウ
葉
幹は暗灰褐色で縦に浅い割れ目があります。葉は互生、枝の上部にまとまって付きます。長さ5~15cmの楕円形から広披針形、先端は尖り基部はくさび型で全縁。厚みがあり革質、無毛、表面は濃緑色で光沢があり、裏面は緑色で油点があります。樹皮や葉は線香や抹香の原料で香気があります。
花
蕾です。
葉腋に花径2~3cmの淡黄白色の花を数輪、集まって付きます。
花被片は10~20枚、螺旋状に付きます。萼片と花弁ははっきりと区別できませんが、外側は短く幅が広く、内側は花弁状の線状披針形で僅かにねじれます。緑色の8個の花柱と、黄色の葯を持つ多数の雄しべがあります。
果実
変な形に
8個の袋果が側面で合着し、放射状に並んだ2~3cmの集合果です。熟すと種子が弾けます。種子は光沢がある黄褐色で、長さ6~8mmの楕円形です。果実は「悪しき実」が名の由来との説があるほどの、猛毒です。