オオアレチノギクノギハハコ属の越年草です。庭に顔を出したので育ててみました。
ヒメムカシヨモギの特徴
空き地や道端で誰でも見たことがあるヒメムカシヨモギ(姫昔蓬)、北アメリカ原産で明治時代に日本に来た帰化植物です。鉄道建設に伴って広がっていきました。「御維新草」「明治草」「世代わり草」「鉄道草」と時代を写した沢山の名前を持っています。
茎 葉
秋に芽を出しロゼットで冬越します。根生葉はへら型。茎は真っ直ぐ枝分かれせず伸びた後、ほうき状に枝分かれし草丈は1~2mにもなります。茎にはまばらに開出毛(茎の直角に生えた毛)があります。茎をぐるりと囲むように幅1cm、長さ7~10cmの線形の葉が密生します。縁にはまばらの鋸歯があり、葉の両面、縁にも毛が荒く生えています。
姫の名前を持ちますが、小さいのは花でこんなに枝分かれして大きくなりました。
花
花期は8~10月。茎の頂に円錐形に花径3mm、長さ4mmの小さな花を沢山つけます。筒状花の周りに白い舌状花が取り囲みます。舌状花の長さは1mmに満たず先が2裂しています。総苞片は淡緑色で線型です。
果実
果実は1mm、淡褐色の冠毛は2,5mmの大きさです。
オオアレチノギクの特徴
南アメリカ原産、大正時代に渡来しました。オオアレチノギク(大荒地野菊)は除草剤の耐性型があり環境への適応力もあって先に日本に帰化したアレチノギクを駆逐してしまいました。すごい繁殖力です。
葉
草丈1~2m。しかしこの個体は今2.5m。根生葉は浅い鋸歯のある倒披針形、秋に芽生えロゼット状で冬を越し、花時には枯れます。主茎が長く直立し、稜があり開出毛が密生し上部で枝分かれします。葉は幅1~3cm、6~10cmの線形倒披針形、下部の葉は不規則な鋸歯があり上部の葉は全縁です。
厚みがあり両面に白色短毛が密生、ビロードの様なすべすべした手触り です。脈上の毛が目立ちます。
花
花期は7~10月。葉腋に短枝を出し円錐花序を付けます。頭花は5mmと小さく徳利型、総苞は3mm、総苞片は3~4列あり灰緑色で多毛です。舌状花は多数、花冠は2裂、総苞に隠れるようにあり目立ちません。中央の筒状花は10個前後、花冠は5裂しています。花色は白色や淡褐色。
果実
そう果は茶褐色で長さ1..5mm、長さ4mmの冠毛は初め白色、後に淡褐色になります。1本に数万個の種子を付け種子はその寿命が50年とも言われます。
ヒメムカシヨモギとオオアレチノギクの違い
項目 | ヒメムカシヨモギ | オオアレチノギク |
---|---|---|
原産地 | 北アメリカ原産 | 南アメリカ原産 |
帰化時期 | 1867年頃 | 1920年頃 東京で確認 |
侵入生物 | 要注意外来生物 | 要注意外来生物ワースト100 |
ロゼッタ | へら状の長楕円形,濃緑色、葉柄に紫色を帯びる。 | 先の丸い倒披針形、黄緑色 |
茎 | 白色短毛まばら | 白色短毛密性 |
葉 | 白色長毛散見 ざらざらした手触り | 厚みがあり両面に白色短毛が密集、ビロードの様なすべすべした手触り |
花 | 2~3mm 俵型 白い舌状花、中央の筒状化は黄色 数が多い | 3~4mm 徳利型 淡褐色の舌状花は広がらず目立たない |
関連記事
-
キク科~アレチノギク(荒地野菊)
キク科イズハハコ属のアレチノギク(荒地野菊)は南アメリカ原産の1、2年草で明治の中頃に帰化して一時はずいぶん蔓延しました。近年はムカシヨモギやオオアレチノギクに押されて減少しています。 アレチノギクの ...
続きを見る