自然教育園 池田山公園 ふれあい広場 植物の構造 育て方

バラ科~ボケ(木瓜)とクサボケ(草木瓜)

少し寂しくなった冬の庭に寒木瓜が鮮やかな朱色の花を付け始めました。

ボケ

ボケ

バラ科ボケ属の落葉低木
分布 本州、四国、九州
帰化種 中国原産 平安時代に帰化
樹高1~2m
花期 12~5月
果期 9~10月
別名 もっか、もこう、もけ、ぼっか

茎 葉

ボケ

若枝には褐色の毛があります。古枝は灰黒色、樹皮が縦に裂けます。小枝には刺があります。葉は互生、幅1.5~5cm、長さ5~9cmの卵形から長楕円形、基部は楔型、最初疎らに毛があります。縁には細かな鋸歯があり、先端は尖るものと鈍るものがあります。

葉に先立って花が開きます。寒咲き、四季咲き種があります。花色は赤、ピンク、白と赤の斑など、一重咲や八重咲など。花柄は3mmほどと短く3~5個束生します。

ボケ

萼片はぷっくりとして長さ5mmほどの卵形から円形、内側と縁に短毛があります。花径3~5cm。雄しべは花弁の半分ほどの長さで40~60本、同長の花柱が5本あります。

ボケ

果実

ボケの果実

緑色から黄色の梨や花梨に似た果実が付きます。萼片は落ち柄はほとんどなくめり込んでるように見えます。直径4~6cmで表面に縦の筋が入ります。いい香りがして果実酒やジャムになります。果実を乾燥させたものは木瓜実(モッカジツ)と呼ばれ疲労回復や利尿効果があります。

ボケの果実

育て方

日当たりの良い乾燥しすぎない場所に植えます。日陰でも比較的花を付けます。植え付け植え替えは9~11月、移植しやすい木です。剪定は花後に不格好な枝を落とします。落葉時に花芽の上部10cmほどで、花芽の付いていない枝は葉を数枚残して切り落とします。徒長枝には花芽が付かないので切り詰めます。9~10月にその年に伸びた枝を10cmに切り取り挿し木をします。数か月で発根します。

病害虫

グンバイハムシ
夏~秋に葉裏に寄生し吸汁します。白っぽくなって落葉します。
アブラムシ 
暗褐色で白い粉をつけたようなアブラムシが新梢や葉裏に寄生し吸汁し葉が縮れます。排泄物ですす病が発生します。
チャノコカクモンハマキ 
幼虫が新葉を糸で綴って中に潜み葉を食害します。
赤星病
春~初夏、葉に橙色の斑点が生じ葉裏に淡褐色の毛が生えたような病斑ができ、ビャクシン類に飛びそこで越冬して翌春ボケの葉に飛散して発病します。葉を切り取って焼却します。
根頭がんしゅ病 
地際の茎や根にこぶができ、栄養の吸収が阻害されひどくなると枯れることもあります。治療は困難なので抜き取り焼却します。

クサボケ

バラ科ボケ属の落葉小低木
分布 本州から四国、九州の山野
在来種
樹高 30~70cm
花期 3~6月
果期 8~10月
別名 コボケ、シドミ、ジナシ(地梨)

クサボケ

茎は斜上または地を這い広がり短枝が変化した細く長い刺があります。古い枝は黒褐色、若い時に生えていた毛は落ちて無毛になります。葉は倒卵形、基部は楔型、葉先は鈍形、幅2~3cm、長さ4~5cmで円い鋸歯があります。

クサボケ

葉の展開とともに開花します。雌雄の花が混在します。萼片は5mmで円く縁と内側に毛があります。花柄はほとんどなく花弁は橙赤色の倒卵形で束生し、花径2~4cmとボケより小さい。雄しべは花弁の半分ほどの長さで40~60本、雌しべも同長で5本。白花クサボケ、八重クサボケがあります。

クサボケ

果実

クサボケ

果実はボケより小さく直径3~4cmの球形、表面は滑らかです。熟すと黄色くなります。芳香があり果実酒になります。

クサボケの果実

ボケとクサボケのハイブリッド種が多く作られています。

日当たりの良い砂地のような場所に自生し、ボケとは違い日向でなければ花が付きません。病害虫にも強く、丈夫で挿し木で簡単に増えます。細根が少なく移植は難しい木です。長い刺があり管理には注意が必要です。

ボケ属にはボケ、クサボケ、マボケが属しています。

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