公園などの足元にはこの植物が必ずと言っていいほど地面にへばりついて広がっています。
オオバコの特徴
日本、東アジアの至る所に見られる在来種でオオバコ科オオバコ属の多年草です。風媒花です。葉が大きいことから大葉子、別名カエルバ、また花茎を二つ折りにして絡ませて引っ張り合って遊んでいたことから相撲取り草の名もあります。全草、葉、種子を乾燥させてそれぞれ車前草、車前葉、車前子と呼ばれ漢方の生薬として利用されます。
葉
草丈10~50cm。根生葉が放射状に四方に広がります。長い葉柄を持ち長さ4~15cmの楕円形から長楕円形、さじ形です。基部に浅い切れ込みが入り、縁が波打ちます。葉は柔らかく縦に走る5~7条の葉脈がしなやかで強い葉にしています。
幼葉は茹でて水に晒して食用になります。
花
花期は4~9月。中央から10~30cmの花径を数本立て長い緑の穂にびっしりと密に花を付け下から咲き上がります。萼が4裂、その基部に1枚の苞が付きます。萼の縁は白色で膜質です。
花は雌性先熟です。萼の間から白いモールのような柱頭が出て受粉します(雌性期)。畳まれていた4本の雄しべが長い白い花糸を伸ばして伸びてくると、ロート状の薄茶色の先端の尖った花被片が4裂し萼の上に開いていきます。(雄性期)
葯はハート形で大きく目立ちます。葯が紫色を帯びている花も。
茶色い花冠と花粉を出し終えた葯がまだ残っています。
果実
果実は長楕円形の蓋果で熟すと上半分が帽子のように取れて5~8個の褐色の種子が現れます。種子は胎座に付いて固まって入っています。種子は濡れるとゼリー状の粘液を出してべたつき他の物について遠くまで運ばれます。
踏み跡植物
踏まれる場所に生える踏み跡植物です。中国では人や馬車や牛車の通る轍によく生えることから「車前」と呼びます。オオバコやクサイ、カゼクサがその代表的な植物です。スズメノカラビラもそうです。踏まれない場所では高い植物に埋もれてしまいお日様の光が届きません。大きい植物には負けてしまいますが、踏まれるようなところでは大きい植物は育たず生き延びられるのです。踏まれると成長ホルモンが分泌されます。種も靴底に付けて運んでもらえます。
オオバコの工夫とは?茎や葉は水分や養分を送る維管束は発達していてそれを丈夫な繊維でガードされていてます。葉柄はドーム型になっていて葉は柔らかく地面に張り付くように並行に付いています。
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