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キク科~ツワブキ(石蕗)

艶やかな濃い緑色の葉と鮮やかなキク科らしい黄色い花は和の庭によく似合います。

ツワブキの特徴

ツワブキ

キク科ツワブキ属の常緑多年草です。

ツワブキの葉

灰褐色の軟毛に覆われています。芋のような地下茎から出る根生葉は10~35cmの葉柄を持ち幅6~30cmの円い多角形、革質、厚くて光沢があり、「艶葉蕗」の名でも呼ばれます。

ツワブキの葉

古典園芸植物として品種の改良がされました。葉の変種は、黄色い縁取りの「金環」、全体に斑が入る「金紋、星班」、縁が大きく波打つ「獅子葉」、表面に細かい凹凸のある「縮緬」、乳白色の不規則な縁取りがある「白覆輪」などがあります。

ツワブキの斑入りの葉

ツワブキ

花期10~12月。花色は黄、オレンジ、白色。八重咲、丁子咲きもあります。途中に退化した小さな葉を持つ30~75cmの長い花柄を出して散房状に頭花を付けます。細い葉が1列に筒状になった総苞が蕾を包んでいます。沢山の花が円くまとまって花径4~6cmの一つの花(頭花)を形成しています。周囲の花が雄しべが退化した雌花の舌状花、中央が両性花の筒状花です。舌状花にも筒状花にも萼の代わりの冠毛があります。

ツワブキ

へら型の舌状花の基部には雌しべがあり柱頭が2~3裂しています。筒状花は外側から開花していきます。筒状花の下部は合着し先端は5裂、雄しべは長い花糸と茶褐色の葯を持ちます。葯は筒状(葯筒)になり花柱を囲んでいます。

雄性先熟です。筒の中で葯壁が破れて花粉が出ると花柱が伸びてきて花粉を押し出します。柱頭には上向きの毛が生えていてこれを助けます(雄性期)。花粉を出し終えると更に花柱が伸びて筒から出て先端が2裂して花粉を受け入れられるようになります(雌性期)。

ツワブキにヒメナガハラツチバチ

ヒメナガハラツチバチ

沢山の昆虫が来ていましたがヒメナガハラツチバチを一番よく見かけました。

果実

ツワブキ

冠毛が開く前の状態です

ツワブキの果実

直径3.5cm。長さ7mmの果実には、長さ8mmほどの冠毛が密生しています。冠毛は実が熟す頃長く伸びてパラシュートの役目をします。

ツワブキの果実

筒状花の様子がよくわかります。

育て方

半日陰や斑入りのものは明るい日陰の水はけのよいところで育てます。耐寒性、耐暑性があります。斑入りのものは日が当たり過ぎると葉焼けを起こし、日光が足りないと班がぼやけてしまいます。枯れた葉や種を取らないときには花後花茎を取り除きます。植え替えは花芽が動き出す前の4月。

増やし方
株分け、種蒔き、根伏せで増やせます。株分けは4月、自然と別れる場所で、種蒔きは零れ種ではなく採取して2~3月に蒔きます。古い根を切り取って植え替えればまた芽を出すようになります。

病害虫
うどん粉病、カビが原因、取り除いて必要なら殺菌剤を撒きます。キクスイカミキリの幼虫が根の方向に葉を食い荒らします。枯葉が多くなると根を掘り返してみましょう。見つけたら取り除きます。

毒、食べ方

蕗のようにフキノトウはできませんし茎にはしっかりとした綿毛があり、蕗より下処理が必要です。ピロリジジンアルカロイドを含み肝臓に対して毒性を持ちます。ピロリジジンアルカロイドは水溶性なので食べる時にあく抜きをします。

葉が開く前の葉柄をさっと湯がいてから熱いうちに皮を剥きます。指があくで真っ黒になります。2分ぐらい塩を入れて湯でて冷水にさらしてさらにあく抜きをします。きゃらぶき、和えもjの、てんぷら、ピリ辛煮などに、穴がないので蕗と違った食感が楽しめます。

葉には抗菌作用があり民間薬として使わてるようです。

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