ヨーロッパでは、紀元前から沢山のエピソードがあり、キリスト教とも深いかかわりを持ち、冠婚葬祭の場に欠かせない、悪魔から守る神秘のパワーを持つ植物です。そしてシソ科らしい美し花です。
ローズマリー
- シソ科ロスマリス属(マンネンロウ属)の常緑低木
- 地中海沿岸地方原産
- 高さ 30~200cm 木立性と匍匐性がある
- 花期 10~6月 条件次第で通年
- 属名のロスマリスは「海の雫」の意味、沿岸の崖に多く見られたことによる
- 和名 マンネンロウ
葉
茎は経年によって木質化します。葉は2~4cmの厚みのある線形、輪生状に見える対生に付きます。葉柄はなく表面は濃緑色、両端が裏側に巻き込まれ裏面は綿状の毛が密生し白っぽく見えます。茎、葉には香りを発する黄色い腺点が見えます。
花
花色はピンク、白、青、紫色、葉腋に総状花序を付けます。唇形で上唇2下唇3枚からなり、2本の雄しべと先端が2裂した雌しべがあります。吸蜜の時に雄しべは昆虫の背中に付き、花粉を他の花に運んでもらいます。
果実
花後萼が膨らんで種子を4個付けます。熟すと茶色くなりますが、すぐ落下してしまします。種を採るなら袋などをかけます。
育て方
日当たりの良い場所で乾燥気味に育てます。小さいうちは摘心をして枝数を増やします。高温には強いですが多湿にはやや弱く、風通しを良くします。梅雨前に枯れた葉は取り除き、花後にその一節下から切り戻します。この時必ず葉を残すようにします。その他、込み合ってきたら、込み合った枝や下向きの枝などを収穫を兼ねて切り取ります。植え替えは3~5月、10~11月に。耐寒温度は0℃、温暖地では戸外で冬越し出来ます。
増やし方
種蒔きは4~5月、9~10月に直播きまたは箱播きにします。発芽には20℃が必要です。発芽率が悪いので多めに蒔きます。好光性があるので覆土はごく薄くします。発芽まで1か月近くかかります。挿し木は新梢を15cmほど切り取り下半分の葉を摘み取って差し穂を作ります。挿し木は5~6月、9月に。発根までに1か月かかります。
病害虫
比較的強い。うどん粉病、カイガラム、シカミキリムシなど。
利用法
園芸 植栽、グランドカバー、リース、コンパニオンプランツ
食用 ハーブティー、香辛料
香料 ポプリ、入浴剤、香水、石鹸、アロマテラピー
薬用 古来から薬用に使われていた、「4人の泥棒の酢」「ハンガリー水」、リュウマチ神経痛の痛みを和らげる(外用)、神経を安定させる、抗ウイルス活性、抗酸化作用など。
なかなか魅力的な植物です。