アネモネは華やかな色の花が多く、薄く繊細なのにビロードのようで、光を受けてピカピカ輝いて沢山の雄しべがまたキュート、魅力的な花です。
アネモネの特徴
- キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草
- 欧南部、地中海沿岸原産
- 帰化種 明治初期に渡来 15~18世紀にイギリスやオランダで品種改良
- 草丈 15~50cm
- 花期 2~5月
- アネモネは風の娘の意味 ギリシャ語のアネモス(風)が語源
- 英名 ウインドフラワー
- 別名 ボタンイチゲ(牡丹一華)、ハナイチゲ(花一華)、ベニバナオキナグサ(紅花翁草)
属名のイチリンソウとは
楚々と咲く山野草です。
葉
矮性種や切り花にする高性種もあります。葉は有柄で根生し3出複葉で羽状に深く切れ込みがあります。
花
1茎に1花で蕾が立ち上がって咲きます。花色は白、赤、ピンク、青、紫、複色。花には苞葉が輪生状に付いています。花径は4~10cm。花弁に見えるものは5~8枚の萼です。八重咲もあります。萼の裏側には長毛が密生しています。
中央に見えるのが多数の雌しべ、それぞれに柱頭があり、黒紫色や緑色でこんもりと立ち上がってきて他花の花粉を受け取ります。その後その周りのカラフルな沢山の雄しべが花粉を出します。葯は濃紫色、沢山の葯は一度に開かず何日もかけて花粉を出します。花は夜閉じます。
果実
まだ綿毛が見えません。
まだ雄しべが残っていますが綿毛が溢れそうです。
果実は2~3mmの痩果、白色の長毛に覆われて風で散布されます。
アネモネポルトダブル
草丈の低い大輪1重咲きポルトシリーズの八重咲タイプ。2015年、サカタのタネから。
草丈20~30cm
アネモネブランダ
草丈10~20cm。地中海沿岸に自生する原種です。別名ハナアネモネ。スプリング・エフェメラル、山野草の趣のある花です。
葉にも花茎にも毛が密生しています。蕾がそろそろ頭を持ち上げそうです。
葯が破れて花粉が溢れています。
中央が白色、外側がピンク色のアネモネブランダ、花粉が陽の光を受けて金色に光っています。
毒
全草にプロトアネモニンを含みます。切り口などの汁に触れると皮膚炎や水疱、化膿を起こすことがあり注意が必要です。キンポウゲ科の花たちは危険!
育て方
秋に芽を出し春に咲き20℃を超えると地上部が枯れて休眠します。耐寒性はありますが高温多湿には弱い植物です。日当たりがよく水はけのよい場所を選びます。酸性土壌を嫌います。八重咲は種を持ちませんが、一重咲きは種を付けないように萼が反ってきたら花茎ごと切り取ります。地上部が枯れてきたら晴天が続いた後に掘り起こし乾燥させます。
種蒔きは9~10月、植え付けは10~12月、球根は平らな方が上、尖っている方が下に2cmの覆土、浅植えにします。植え付け時期が早いと球根が水分を吸って腐りやすくなります。