ブランコ毛虫(マイマイガの幼虫)に寄生することからブランコヤドリバエの名がついたそうです。
ブランコヤドリバエ
- ハエ目ヤドリバエ科ヤドリバエ亜科
- 分布 北海道、本州、四国、九州
- 大きさ 10~15mm
- 幼虫 捕食寄生 マイマイガ、ヨトウガ、ミノガ、アメリカシロヒトリ、モンシロチョウなどの幼虫
- 成虫の食べ物 動物の糞、死骸、果実
- 完全変態
- 越冬 幼虫
灰黄色の粉に覆われた胸部背には4本の黒色縦条が入り、腹部は黒色、節前縁に灰褐色の横帯が入り、長い黒色の剛毛が生えています。翅は透明で無紋、翅付け根の胸弁は大きく褐色を帯びています。
頭部前額中央に黒色の縦条が入ります。頬部は灰白色、触角は黒色。
植物の戦略
植物は食べられないように刺などの物理的防御や化学的な防御をしています。それに対して食性昆虫のなかには植物の防御物質を解毒する物質を出して防御の壁を突破するものがいます。植物は、食性昆虫の天敵を呼び寄せる間接的防御という方法もとっていて、ブランコヤドリバエもその担い手です。芋虫の唾液や酵素という物理的な刺激によって食害されたことを認識し、匂い物質の生合成遺伝子が活性化、変化され、植物全体から{みどりの香り}といわれる揮発性の化学物質を放出します。この化学物質は加害昆虫の天敵の捕食性昆虫を呼び寄せるシグナルになります。呼び寄せる昆虫によって構成比や量を変化させ、香りがブレンドされているそうです。
植物同士は様々な会話がされているそうです。近隣の植物に「食われた、気をつけろ」という警告をしたり、セイタカアワダチソウのように、忌避成分を出し他の植物を近寄らせないようにしたり、逆に養分のやり取りをして助け合ったり・・どんな会話をしているのでしょうか。