つる植物 植物の構造

ムクロジ科~フウセンカズラ(風船葛)

可愛い風船が風に軽やかに揺れています。フウセンカズラ(風船葛)です。中萬米、東南アジア原産のムクロジ科フウセンカズラ属のつる性の一年草です。

フウセンカズラの特徴

フウセンカズラ、別名・バルーン・バイン

巻きひげを出してぐんぐん伸びて3mほどになります。属名・心臓(カルディア)種子(スペルマ)、別名・バルーン・バイン ハート・シード

葉は優しい緑色、2~3回の3出複葉で小葉は披針形、鋸歯があり、互生です。葉腋から長い蔓を出して先端に巻きひげ2本と数個の花がワンセットになっています。巻きひげは華奢に見えますが細いものにしっかりと巻き付きます。

フウセンカズラの3mmほどの小さな白い花

花は7~9月に長く花柄を伸ばして3mmほどの小さな白い花を咲かせます。左右に小さな2枚の萼と上下に大きな2枚の萼に花弁が4枚です。

フウセンカズラ、托の一部が膨らんだ黄色い花盤が大事に雄しべと雌しべを包む

花托の一部が膨らんだ黄色い花盤が大事に雄しべと雌しべを包んでいます。おしべは8本、柱頭は3裂しています。花盤から雄しべがのぞいています。

フウセンカズラの出来立ての果実、雄しべと先端のキラキラした柱頭

花弁と花盤が落ちました。雄しべと先端のキラキラした柱頭が見えます。上方の4枚の萼は2枚づつ大きさが違うのがよくわかります。

産毛に覆われたフウセンカズラの果実

雄しべが枯れ、そのすぐ上に対の蜜腺が見えます。白色から黄色に変わっています。果実の表面が産毛で覆われています。

果実

パンパンに膨らんで網目がしっかり入っだフウセンカズラの果実

8月、直径3cmほどの大きさになり、パンパンに膨らんできました。しっかり縫い合わせたように陵があり、網目がしっかり入っています。風船のように軽いですが、粘りのある果皮でしっかり種を守るように丈夫です。

まだ未熟な薄緑色のフウセンカズラの果実

ちょっと上のほうを切ってみました。果実は薄い膜で3室に分かれています。未熟な果実は奇麗な薄緑色で、ピカピカしています。

熟したフウセンカズラの果実

果皮は褐色になり熟してきました。果実は黒く表面はざらざらしています。お猿さんの顔のような、ハート形の白い模様が印象的です。

お猿さんの顔のようなフウセンカズラの種

寒さには弱くもう元気がなくなってきました。去年、道路上にこの特徴のある種を見つけてそれを蒔いたものです。また来年フェンスに風船が揺れることでしょう。ご近所にも。種の発芽温度は20~25度、蒔き時は4月下旬~5月です。1日水につけるか傷をつけると発芽しやすくなります。

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