フユユスリカの一種
- ハエ目ユスリカ科エリユスリカ亜科
- 出現期 11~12月 1~2月 年2化
- 幼虫の食べ物 有機物 生物の死骸や微生物
- 成虫 不食
- 完全変態
水生植物園の橋の手すりにいたユスリカ、ユスリカは夏の季語なのに、と思ったら冬に活動するフユユスリカの仲間がいるそうです。この個体は体長8mm弱、体色は黒色、胸部に縦条があります。後翅は退化して突起状の平均昆に、脚は比較的長く黒色。触角は黒色でふさふさのブラシ状なのでオスです。
生態
第1出現期は11~12月、水温が低くなると水面で羽化、成虫として飛び立ちます。蚊柱はオスのみ、メスはその中に飛び込んで交尾します。成虫の寿命は数日、すぐ交尾、ゼリー状に包まれた卵を水面に産み落とされます。2~3日で孵化した幼虫は水中で泥などを食べます。泥で筒状の巣を作り、体を揺すって巣に酸素を送ります。この揺する姿からユスリカの名が付いたそうです。幼虫は4回の脱皮を経て15~20日で蛹に、2日ほどで成虫になります(第2期出現期)。3月頃には土中に繭を作って夏眠に入ります。
水中では有機物を食べることや土を掘り起こしたり酸素を送ることで水質の改善に役立ち、魚類の餌となります。しかし地上では大量発生や、頭虫と呼ばれるように頭上に蚊柱を作って不快感を与えたり、洗濯物を汚したり、照明に集まって店舗に侵入したり、死骸が細かい粒子となってアレルギーの原因になったり、と厄介な存在になります。