黒色の体に白い縞模様がきりりと入った、比較的大人しい、スズメバチらしくない、小さなスズメバチです。
クロスズメバチ
- ハチ目スズメバチ科クロスズメバチ属
- 分布 北海道、本州、四国、九州、奄美大島の山地や里山
- 大きさ 働きバチ12~12mm ♂13mm 女王バチ15mm
- 出現期 3~11月
- 岐阜県や長野県では幼虫(蜂の子)が食用になる
12月に入ると昆虫たちが少なくなりハエばかり、ヤツデの花が人気です。その中にクロスズメバチをよく目にします。やや艶のない黒色の体色に白い斑紋があり淡色の毛があります。腹部前縁は直線的で、腹部各節後ろ縁に細い白線が入ります。前翅は縦に畳まれています。
前額部に蝶型の紋があり、頭盾の中央の黒帯が短く先端に届きません。複眼の間にある白紋が半月型。
触覚はオスは13節、メスは12節。拡大すると上の写真は13節でした。
幼虫に群がるクロスズメバチです。
生態
10月頃に羽化した新女王バチは土中で単独で越冬、3月頃に活動開始し、地中や木の洞などに初期のコロニーを作り産卵します。働きバチは6月頃に羽化、20~30cmの球形の巣になります。巣材は口をかみ砕いたもの、外皮は厚く巣を覆っています。出入口は1個。オスバチは遅れて10月頃に羽化します。越冬できるのは女王バチのみ。比較的おとなしく、巣を刺激したり、攻撃しない限りは刺すことはないようです。巣は毎年新しく作られます。
スズメバチの成虫は固体のものを消化出来ず、終齢幼虫の唾液腺から分泌される糖分やたんぱく質を含む液体、まだ終齢幼虫が育っていない時期は樹液や花の蜜、死骸や昆虫などから吸汁するようです。幼虫の為に昆虫の他、カエルやヘビや焼き魚、ウインナー、人間の食べ残しなど、なんでもかみ砕いて巣に持ち帰るとか。
クロスズメバチの仲間との違い
日本にはクロスズメバチ属は5種確認されています。
ツヤクロスズメバチ 腹部第1節の白帯が中央で途切れる。複眼内側の白紋が細く小さい
シダクロスズメバチ やや山地性、複眼した内側の黄白紋が強く湾曲し三日月型、頭盾中央の黒帯は下端まで繋がる
寄生
シロスジベッコウハナアブは巣の外被に産卵。幼虫は働きバチによって捨てられた死んだ成虫などを餌にし、寒くなって営巣末期になって蜂の動きが鈍くなると侵入して襲って食べるそうです。
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ハナアブ科~シロスジベッコウハナアブ(白条鼈甲花虻)
シロスジベッコウハナアブ ハエ目ハナアブ科ハナアブ亜科 分布 北海道、本州、四国 大きさ 15~20mm 出現期 6~10月 完全変態 10月3日・イヌショウマ・自然教育園 何とも面白い ...
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