なんておかしな名前でしょう。可愛い黄色い花なのですが。群生しているのは見たことがなく、孤独に立っている姿に出会います。
オニタビラコの特徴
- キク科オニタビラコ属,の越年草
- 分布 全国の道端や公園、インド、ミクロネシア、オーストラリア
- 在来種
- 草丈 20~100cm
- 花期 5月~10月(温暖地では1年中)
葉
根生葉はロゼッタ状で、羽状に深く切れ込みが入り、幅1.5~6cm、長さ8~25cm、頂裂片は大きく三角状卵形です。全体的に柔らかく茎や葉を切ると白い液が出ます。全体的に細かい毛が密生しています。
茎の上部は葉が少なく小型です。
オニタビラコはアカオニタビラコとアオオニタビラコとその雑種に分かれるそうです。
アカオニタビラコー2年草。花茎が1本で紫色を帯び下部を中心に毛が多い。ロゼッタは淡緑色に赤い部分がある。花期は4~5月。
アオオニタビラコー多年草。花茎は緑色で多数分岐して中心の花茎が太い。ロゼッタは青色を帯びた緑色で光沢がある。
花
高く伸びた茎の上部に総苞5mm幅7mmほどの黄色い小さな花を付けます。
舌状花は黄色で約20枚、先端が5裂しています。筒状花の花柱がくるっと丸く2裂しています。
果実
開花前の総苞は円筒形ですが花後は基部が膨らみます。冠毛は3mm、冠毛には上向きの刺があります。痩果は2mm。
よく似た植物
よく似た植物にコオニタビラコ、ヤブタビラコがあります。こちらはヤブタビラコ属です。
コオニタビラコ
在来種のタビラコのことで別名ホトケノザ、秋の七草のひとつとして食べられていました。タビラコより大きいという意味で付けられ、コオニタビラコはオニタビラコより小さいという意味です。面倒な名前になってしまいました。そもそも「オニ」が付くほど大きくないのですが。田んぼなどで普通に見られたそうですが、帰化植物に押されていますね。タビラコの名の由来の通りコオニタビラコは花茎が短く地面に張り付くように平たく葉を伸ばします。
その違いは
オニタビラコ | ヤブタビラコ | コオニタビラコ | |
属 | オニタビラコ属 | ヤブタビラコ属 | ヤブタビラコ属 |
草丈 | 20~100cm | 20~40cm | 8~15cm |
茎・葉 | 茎は直立・頂裂片が三角状卵形・細毛有 | 茎は斜上・頂裂片は角張る・軟毛有 | 茎はやや立ち上がる・頂裂片は丸みを帯びる・無毛 |
花期 | 5~10月(一年中) | 5~7月 | 3~5月 |
花 | 7~8mm・舌状花15~20個 | 8mm・舌状花12~20個 | 1cm・舌状花6~12個・総苞片5枚 |
花後 | 上向き・基部が膨らむ | 下向き・卵球形に | 下向き・円筒形 |
果実 | 2mm・白い冠毛あり | 2.5mm・短毛あり | 4mm/角状突起あり |
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