隣家の庭でカサブランカの葉裏に派手なとげとげの幼虫を見つけました。隣家の住人は虫が大嫌い、ということでカサブランカごと我が家の庭にやってきました。
ルリタテハ
- チョウ目タテハチョウ科
- 分布 北海道、本州、四国、九州、南西諸島まで、平地の林縁、都市部の公園や緑地
- 出現期 3~10月 温暖地では6~7月、8月、10月と2~3回、寒冷地では1回の発生
- 大きさ 前翅長25~44mm
- 幼虫の食草 サルトリイバラ、ユリ科ホトトギス属、ユリ属 上の葉から下に食べすすむ
- 成虫の食性 クヌギなどの樹皮、落ちた果樹、動物のフンなどで吸汁
- 和名 瑠璃立羽
- 英名は 青い提督
幼虫
1齢幼虫は4mm、2齢は5mm、茶褐色の地に淡黄色の斑が入り刺は黒色、3齢は10mm、4齢は12mm、だんだん地色が黒色に刺も立派になります。そして終齢幼虫は25mm、紫黒色の地に黄白色の刺状突起になります。
終齢幼虫
紫黒地に黄白色の刺状突起が68本あります。均等に付いているのではなく、第1胸節にはなく、2~3胸節には各4本、1~8腹節には各7本、9~10腹節には各2本あります。刺状突起の先端には1本ずつ黒い剛毛が生えています。刺には毒もなく痛くありません。食事の時には真っ直ぐになりますが、すぐに丸まってしまします。
ちょっとひっくり返ってもらいました。可愛い足が見えます。
葉裏にぶら下がって蛹になります。
家の中で見つけた終齢幼虫 どこから来たの?
頭部には剛毛が生えています
成虫
黒褐色地に瑠璃色の帯模様がある印象的な蝶です。先端は瑠璃色の模様は切れ、白い斑点があります。
春にみられる痛んだ翅の成虫は頑張って冬を越した成虫なのでしょう。
翅裏は灰褐色に細かい模様があり樹皮や枯葉に擬態しています。
夏型の特徴は翅の縁の切れ込みが浅く、翅表の瑠璃色が鮮やかで裏も茶、黒、白の模様がはっきりしています。秋型は翅の縁の切れ込みが深く、翅表の瑠璃色が薄く翅裏の模様がはっきりせず黒っぽいのが特徴です。春に見かける蝶はこれです。雄と雌にはあまり違いがありません。
成虫は警戒心が強く、飛翔能力が高くあっという間に飛び去ってしまいます。
占有行動
ルリタテハは占有行動をすることで知られています。翅を広げて縄張りの主張をし、スクランブル発進をして侵入者を追い払います。
卵
食草のサルトリイバラの葉表に産み付けられたばかりの卵。食卓の葉裏に約1mmの緑色に白色の線の入った卵を産み付けます。
10日経って、随分黒ずんできました。孵化が近ずくと幼虫が透けて見えてきます。上部が広がって頭から出てきます。
卵の姿が見えなくなってから、やっと幼虫を見つけました。
寄生
タテハサムライコマユバチに寄生され、繭を抱いた幼虫を2匹見つけました。卵を産み付けられ、体内で育った幼虫が外に出てきて糸を絡めて繭を作ります。サムライコマユバチの種類は産卵時に寄生主にウィルスを注入し寄生主の成長を抑え芋虫のままにするという戦略をとっているそうです。
1週間後には繭だけになっていました。自然は過酷!
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