地味ながら背丈より大きくなり茎や葉も独特な姿、こけしの周りに線香花火がぱちぱちと散るような花など、一目で分かるユニークな植物です。日本では雑草でも欧米では観賞用の植物だそうです。
タケニグサ
- ケシ科タケニグサ属の多年草
- 分布 本州から九州、東アジアの日当たりの良い草地や空き地に自生
- 在来種
- 草丈 1.5~2m
- 花期 7~8月
- 荒れ地や原野にまず現れる先駆植物の一つ
- 有毒 全草アルカロイドを含む
- 名の由来 タケニグサの名は茎が中空で竹に似ているからという説もあり
- 別名 ササヤキグサ(囁草) 風が吹くと果実がかさかさと音を立てて揺れることから。
- 別名 チャンパギク チャンパは南ベトナムの地名。
葉
根は太くオレンジ色、茎は中空で粉を吹いたように白っぽい。茎を切ると黄色い乳液が出て接触皮膚炎を起こすことがあります。
葉は互生、長さ10~30cm、掌状、浅く羽状に裂け先端は丸く葉表は無毛、葉裏は白毛が密生しています。
花
円錐花序を付けます。
白い花を沢山つけます。蕾は花弁ではなく約1cmの2枚の萼に包まれています。
開花後すぐ萼が落ちます。多数の雄しべと1本の雌しべからなり、花糸は白色の糸状、葯は白色の線形で、花柱は短く柱頭は2裂します。線香花火のようです。
子房が膨らみ始め雄しべが縮れています。
果実
若い果実です。果実は長さ2cm扁平なへら型の蒴果で種子が4~6個入っています。種子は表面に楕円形の凹凸があり褐色で光沢があります。表面には白い種沈(エライオソーム)が付きます。
エライオソームは脂肪酸、アミノ酸、糖などを含むアリの好物で巣に運ばれた種子はエライオソームだけ消費され、不要になった種子は捨てられ散布されます。