ソーセージのような穂がほどけてのヘリコプターのような冠毛が風に乗って飛んでいます。
ヒメガマの特徴
北海道から沖縄まで、世界の温帯から熱帯にかけて分布する在来種でガマ科ガマ属の抽水性の多年草です。
水性植物の種類は
湿地植物 根元が水中に浸っている
抽水性植物 根が水面下、茎葉が水中から水面上に伸びる
浮葉性植物 葉が水面に浮かんで表面が空中に触れるもの
沈水性植物 完全に水中、花は空中で咲かせるものが多い
葉
泥中に横走する太い根茎があり群生します。高さ1.3~2m、葉は幅5~15mm、先端が尖り全縁、並行脈があります。基部は膜状の鞘になり粘液腺がありべたつきます。新芽は食用として葉は細く軽く丈夫なことから籠などのガマ細工に使われます。
花
花期6~7月。花序は幅8mmほどの円柱状で上部に雄花序、下部に雌花序が付きます。雌花序と雄花序の間に緑色の茎が2~7cm、露出します。これがガマとの違いです。基部に膜状の苞が付き、苞は早期に落ちます。冬季には地上部は枯れます。
雄花序は長さ10~25cm淡緑黄色で2~3個の雄しべがあり基部には白毛があります。花粉は黄色、風媒花です。花後は脱落します。花粉が飛ぶ前の花序は乾燥させて生薬(蒲黄)として傷薬に使用されます。
雌花序は雄花序より短く長さ5~22cm。
花後は雌花序は幅1~2cmと太くなり色も茶褐色のビロード状になります。蒲らしくなります。
果実
晩秋、穂がほどけ幅2mmの冠毛のついた果実が風に飛ばされます。果実は紡錘状、淡褐色で水中で縦に割れ2mmの種子を出します。
近くの木に絡みついています。冠毛はパラシュートのような形になりより遠くまで飛ばされます。