少し薄暗い場所の草の間に丸い渦巻き状のクモの巣が浮かんでいます。下には脚を伸ばしたクモが隠れています。
- クモ目ウズグモ科
- 分布 北海道、本州、四国、九州、南西諸島
- 大きさ 4~6mm
- 出現期 6~9月
- 水平円網
草むらや林縁の日陰に地面に対してやや斜めに小型の円網を張り、その中央に渦巻き状の隠れ帯を付けます。隠れ帯の横糸には粘性がなく、通常の出糸突起とは異なる篩(ふるい)板から作られる、微細な糸が絡まったような梳糸から作られています。
よく似たヤマウズグモより色が薄く、明るい褐色のクモで、頭胸部には白い縦条が入り、腹部には縦に白斑が並びます。
ハエやハチは紫外線に誘引される性質を持っています。この渦巻き状の隠れ帯は、紫外線を反射することで、ハエやハチを引き付け沢山の餌を捕ることができるそうです。縦帯の隠れ帯も見られますが、餌の量によるそうで、餌が豊富になると線形の隠れ帯に、餌が減ってくるとまた渦巻き状の隠れ帯に変えるそうです。また渦巻き状の網は張力が高く、小さな獲物がかかった時も素早く反応できるとか。
カタハリウズグモは公園などの草木の間などで見られるのに対し、ヤマウズグモは山地性、ツキョウウズグモは人家周辺や家の中などによくみられそうです。