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バラ科~ビワとワカケホンセイインコ

楽しみなビワの収穫です。ビワの木の下にはきれいに皮と種だけになった残骸が散らかっていました。犯人は?

ビワの特徴

ビワ

バラ科ビワ属の常緑高木です。古い時代に中国から渡来し、江戸時代に美味しい果樹になりました。我が家のビワの品種は耐寒性のある「田中」、明治時代の植物学者の名前です。自家結実性があります。

幹・葉

ビワの幹

樹高3~8m、樹皮は灰褐色で細かな縦皺があり古くなると樹皮がはがれて班模様ができます。

楕円形で対生、濃い緑色で硬く、くっきりとした葉脈に沿って波打っているビワの葉

11月末のビワです。葉は20cm程の長楕円形で互生、濃い緑でごわごわしていて、くっきりとした葉脈に沿って波打っています。縁の上部には荒い鋸歯があります。葉表は光沢があり無毛ですが若い茎や葉裏には褐色の細かな毛が生えています。
若い葉を近所の人に頼まれてお茶にしたことがあります。葉や種は民間療法ではよく使われていますが、有毒成分が含まれているので注意が必要です。剪定の後、細かな毛によるものと思わrますが蕁麻疹が出てしまったことがあります。

10~20cmの円錐花序に1cm程の褐色の産毛をまとった白い花を沢山つけたビワ

10月下旬にこんなふわふわの蕾がつきました。花期は11~2月。10~20cmの円錐花序に1cm程の白い花を付けます。地味な花ながら甘い香りを漂わせます。花柄、蕚、花弁下内側には褐色の産毛が密生しています。白い花弁が5枚、花柱は5裂していて沢山の雄しべがあります。葯には毛が密生し白色から茶褐色に変わります。

白い花弁が5枚、花柱は5裂していて沢山の雄しべがあるビワの花

果実

ビワの若い果実

若い果実です。細かい産毛に包まれていて先端には萼と雄しべが残っています。ビワの実は花托が肥大した偽果です。

今年も美味しいビワの実が沢山、実りました

6月、いい香りがしてきて実の色が濃くなってくると甘ーいビワの出来上がりです。手がべたべたになります。

ビワの種

中にはこんな赤褐色の種子が数個入っています。

ビワの芽

鳥に食べられて捨てられた残骸からビワの種はあちこちに芽を出します。

育て方

成長が早く庭で育てるには剪定が必要です。剪定時期は9月。数年に一度主幹を切り詰めています。また徒長してしまった枝は落として枝を整理します。摘蕾は手の届く範囲しかしていません。摘果は3~4月、大果種は2個、中果種は5個ほどに。鳥に食べられることが多いので上部は多めに残しています。ゾウムシの仲間に果実の食害にあうこともあるようですが我が家ではまだ一度もありません。病害虫の比較的少ない育てやすい果樹です。増やし方は実生、挿し木で。

ワカケホンセイインコ

もうすぐ収穫、という頃には毎日ビワの木の下には見事なほど綺麗に中身を抜かれたビワの皮が大量に落ちていました。

ビワを器用に食べるワカケホンセイインコ

犯人は野生化したワカケホンセイインコでした。木のてっぺんに止まって、器用に脚で枇杷の実を掴んで悠々と食べていました。インドやスリランカに分布していて1960年ごろペットとして輸入されました。体長40cmほど全身が鮮やかな緑色、大きな赤い嘴、長い尾羽が特徴です。雄の首の前側には太い黒の帯、後側には桃色の細い帯があり、ツキノワインコとも呼ばれます。青や黄、白の個体もあるそうです。

可愛いしぐさや言葉を覚えたりと可愛い反面、ぎゃあぎゃあと鳴き声がうるさいし、神経質な面もあり、飼いきれなくなった人が放鳥したのでしょうか。寿命は30年と長いですし。あちこちで花や種子、芽、果物などに被害が出ているようで東京には数千羽もいるそうです。オウム病の媒介も心配要因です。

カラスも勿論来ますが、最近はカラスの数が減って代わりにヒヨドリやムクドリ、そしてこの鳥と勢力図が変わってきたようです。そしてまたこれからも鳥たちとの戦いが続きます。頭もいいし食欲旺盛ですから、大変です。

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