ラナンキュロスは不釣り合いなほどの大輪で思いっきり華やかです。
ラナンキュラスの特徴
西アジア、東欧原産のキンポウゲ科キンポウゲ属の球根植物です。ラナンキュロスは世界に500種が分布し、ほとんどが宿根草です。
球根を作るアジアンティクスがヨーロッパに紹介され、改良が加えられ、明治中期に渡来しましたが、花弁の数も少なく花も小さなものでした。アジアンティックは草丈30~50cm、花弁5枚の黄色い花です。別名、バターカップ。1960年にアメリカの品種を日本で品種改良したビクトリアストレインという品種は大輪の八重咲でラナンキュラスの人気が高まりました。和名はハナキンポウゲ(花金鳳花)。
全草にプロトピンを含み葉や茎の切り口から白い液体が出てかぶれを起こすことがあります。
葉
球根は太く短い根を出した塊茎状で数本の芽を出します。ラナはラテン語の「rana」カエルの意味です。キンポウゲ科の植物が湿ったところに生息していることや、葉がカエルの足に似てるからということです。ラナンキュラスはやや乾燥したところの出身です。
葉は2.3回の3出複葉、小葉には鋸歯があります。葉も茎も有毛です。
花
開く前のラナンキュラス。萼は5枚。中央が沢山の雌しべが集まったもの、その周りに沢山の雄しべが螺旋状に付いています。3~4月、20~30cmの花茎の先に1~4輪の花を付けます。平開せず半球形です。花径は大きいものは15cmを超えます。薄い紙を重ねたような花弁は陽を浴びてキラキラと輝いています。
外側と中央では花弁の大きさがずいぶん違います。いったい何枚あるのでしょう。虫媒花で雌しべが受粉するとそれぞれが果実になり集合果になります。
花色は赤、紅色、ピンク、黄色、白色、複色。中央部が緑色、すべて緑色、2段咲きという変わったものもあります。
育て方
厳寒期は霜よけが必要です。寒さに当てないと花が付きません。過湿を嫌うので乾燥気味に育てます。
植え付け
10~11月。バーミキュラ、水苔などで包みビニール袋に入れてゆっくりと給水させてから植え付けます。
手入れ
葉や花に水をかけないようにそしてこまめに葉や花柄を取り除くことで灰色かび病などの病気を防ぎます。花後も太陽によく当て球根を太らせます。5月、葉色が黄色になると休眠に入るサイン、水やりをやめます。
増やし方
増やすのは分球と種蒔きで。枯れあがったら晴れた日に球根を掘り上げます。枯れた茎などを切り落とし、1週間干して乾燥させて風通しの良いところに保存します。芽の出る位置に注意して分球し、その後乾燥させます。
種蒔きは10月に。発芽には2~3週間かかります。