存在感たっぷりに背を伸ばす畑の厄介者、果実は面白い形ですね。
ギシギシの特徴
タデ科スイバ属の多年草です。北海道から沖縄まで、道端や畔などやや湿った場所でよく見る在来種です。
葉
草丈60~100cm。根は褐色で太く地中深く伸びます。茎は直立し縦に稜線が入ります。下部の葉は根生し長柄があり10~25cmの長楕円形で基部は心形、又はクサビ形で縁が波打ちます。上部の葉は小さく無柄。冬には上部は枯れ、小さなロゼッタ状になって冬を越します。
葉にはシュウ酸が含まれ酸味があります。若葉は茹でて水にさらし灰汁を抜いた後、お浸し、味噌和え、汁の実、煮物、油炒めなどで食べられるそうです。私は食べたことはありませんが、ぬめりがあって美味しいそうです。根は羊蹄根という生薬として使われます。
花
花期6~8月。茎の上部で分岐して緑色の多くの花を輪生します。両性花と雌花が同株につきます。花弁はなく花被片(萼)は6枚、雌蕊1本、雄蕊6本。花糸は白色で長く葯は黄色。風媒花で花期には花粉症の原因になります
花柱は3本、柱頭が房状になっています。
果実
外花被片は小さく果実に沿って開出し内花被片は花後大きくなって翼になって3個の稜がある果実を包みます。内花被片は4~5mmの円形に、先端が三角形に尖りし、不規則な鋸歯があります。背面にはコルク質のこぶがあります。面白い形ですがどんな役割があるのでしょうか。
熟すと褐色になります。中には2.5mmの果実が入っていて、先端には3本の柱頭が残ります。
天敵
1本で1万個の種を持つそうです。深く伸びる根は取り切れずに残るとまた復活、なかなか除去が大変な雑草です。そんなギシギシの天敵はコガタルリハムシ。土中で休眠していた成虫は春になると這い出してギシギシの葉を食べまくり交尾をして葉裏に卵を産み付けます。幼虫は葉をたくさん食べ、蛹の間は地中で過ごし、新成虫になってまた葉を食べます。これだけ食べられると成長が阻害され枯れてしまうこともあるそうです。
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