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キク科~アワコガネギク(泡黄金菊)

春の葉は白い柔らかい毛をまとった淡い緑色です。秋には沢山枝分かれして黄色い花をこんもりと付けます。

アワコガネギクの特徴

アワコガネギク

キク科キク属の多年草で、本州から九州北部、中国、朝鮮半島の山地のやや乾いた谷間や崖に自生しています。花を密に付ける様を泡に例えています。別名キクタニギク(菊渓菊)、京都の自生地にちなんだ名前です。菊渓川由来の自生地では絶滅危惧種となっていて復活を目指した活動が行われているそうです。環境省のレッドリストでは準絶滅危惧種に指定されています。法面の緑化に中国や韓国由来の種子が利用されていて在来種との攪乱が懸念されています。

アワコガネギク

3月の葉の様子です。葉が柔らかく両面とも短毛が密生しています。緑白色に見えてやさしい雰囲気です。草丈は1~1.5m。茎は叢生して上部は軟毛が多く多数分岐します。葉は互生、柄があり幅4~6cm、長さ5~7cmの広卵形で羽状に3~5深裂し更に切れ込み先端が尖ります。段々表面は毛が目立たなくなります。

アワコガネギクの葉

アワコガネギク

花期は10~11月。頭花は直径1.5cm黄色で舌状花と筒状花からなります。総苞は長さ4mm、総苞片は線形もしくは長狭楕円形で3~4列に並びます。

アワコガネギク

舌状花には雄しべはなく2裂した花柱が見えます。花は外から内側に向かって開いていきます。筒状花は花弁が融合して筒状になり5本の葯もつながって雌しべを囲んでいます。葯が破れると花柱が花粉を外に押し出し溢れます。花粉が出きってから柱頭が伸びて先端が2裂して受粉期に入る雄性先熟です。

アワコガネギク

日干しした頭花をゴマ油に漬けたものを火傷や切傷の常備薬として使われていることからアブラギクの名もありますがアブラギクは別に存在します。

ツマグロキンバエ

ツマグロキンバエです。

オオヒメヒラタアブ

オオヒメヒラタアブです。撮影日11月8日

果実

アワコガネギクの果実

1mmの痩果で冠毛がありません。

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