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ラン科~エビネ(海老根)・キエビネ(黄海老根)

色合いは地味ながらラン科らしい華やかさもあり、樹下で咲く姿は山野草らしい趣があります。キエビネはエビネより大型で黄色に赤褐色の斑紋が入る華やかな花です。残念ながら野生種は個体数が減っているようです。

エビネの特徴

エビネ

日本、朝鮮半島、中国原産の在来種で低山の林床に見られるラン科エビネ属の多年草です。別名ジエビネ、ヤブエビネ、カランセ。

草丈20~60cm。球形の偽球茎が数個連なっていてこれが海老根の名の由来です。偽球茎(偽鱗茎)は茎の節間が肥大した貯蔵器官でラン科に見られます。

エビネの葉

11月のエビネの葉の様子

秋に新芽を出して少し成長後、葉が2~3枚の状態で越冬します。

エビネの冬の葉

地面に張り付いたエビネの冬の葉

冬の葉は地面にへばりついています。新しい葉が展開し花が咲くと古い葉は枯れます。

エビネ

新しい葉が展開する前に花茎を伸ばします。葉は薄く幅3~8cm、長さ15~25cmの長楕円形で全縁、5本の脈が入ります。

エビネの花

花期は4~5月、30~40cmの花茎の茎頂に総状花序を出し10個ほどの花を付けます。花径1~2cm。蕾は上向きに付きますが、花柄が180度捻じれて下向きに花が開きます。花柄には短毛があり基部には披針形の苞が付きます。

エビネの花

花は先が尖った狭卵形の茶褐色の3枚の萼片と2枚の側花弁、先端が3深裂した白色もしくは淡紅紫色の唇弁からなります。側花弁は側萼片より幅が狭く、頂部の背萼片と2枚の側萼片に挟まれています。唇弁の中央の裂片は更に2裂し、3本の隆起線があります。1cmの長い距があり中央には雄しべと雌しべが合着したずい柱があります。上部の白い円形の部分が葯帽です。葯帽は少しの刺激で外れて昆虫の背に花粉がついて運ばれます。

果実

エビネ

花柄子房が膨らんできました。

エビネ

果実は3cmの楕円形の蒴果です。

エビネの種子

中には細かな種子が無数に入っています。縦に裂けて風散布されます。

キエビネの特徴

ラン科エビネ属の在来の多年草。

キエビネの葉

草丈30~60cm。葉は薄く花茎を抱き、エビネより幅が広く幅5~10cm、長さ20~40cmの先端が尖った広楕円形です。

キエビネ

花期は4~5月。花は10個前後やや密に付きます。苞は宿存性で緑色の披針形で膜質です。花柄は捻じれています。

キエビネの花

花は5~6cmの明るい黄色で背萼片は先端が鋭形の楕円形、側萼片は卵状長楕円形、側花弁は狭楕円形、唇弁は3唇裂し中裂片は3~5条の突起があり赤褐色の斑紋があります。エビネと異なり距は8mmと短く、中裂片は裂けません。

キエビネ

ずい柱の下に白い毛があり子房の入口が見えます。柑橘系の芳香があります。

エビネは交配がしやすく沢山の園芸品種が作られています。花色は白、ピンク、赤、オレンジ、黄、紫、茶、黒、緑、複色と多彩。

エビネ

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