原産は中国揚子江沿岸。和名はオニマタタビ、シマサルナシ。キウイの名はニュウジーランドからアメリカに輸出された折に国鳥のキーウィから名付けられたそうです。マタタビ科マタタビ属の雌雄異株の落葉蔦植物です。
特徴
雌花
花期5~6月。蕾が可愛いですね。葉腋に花径7cmの白い花を下向きに付けます。芳香があります。
ほころんできました。
雄しべが沢山あって花粉は溢れています。雌花の雄しべの花粉は発芽能力がありません。したがって雄花の花粉を受粉させる必要があります。中央にあるのが子房、子房から30本以上の白い花柱が出ています。
受粉
雌花の花柱に雄花の花粉が受粉されると花粉が発芽して花粉管を伸ばしていきます。そして子房に達し、膨らんでいきます。果実を切って見える放射状の線の間の数が花柱の数になります。沢山種ができるほど甘い果実になります。
花が咲いて数日の間に受粉が必要です。人工的に受粉させた方が確実ですし良い実が出来ます。雄花一つで数個ほど受粉できます。なかなか雄花とのタイミングがうまくいかず、特にゴールドキウイは時期がずれやすいので、最近は花粉を買って晴れた日の午前中に、綿棒でひとつひとつ受粉させています。花粉は冷凍庫で保存できます。使う前日に冷凍庫から出してから使います。
雄木
芽の赤の色が美しい。枝の巻き付く力も雌木より強力ですし、伸び方も逞しいですね。育て始めたころは雄木ばかり元気で棚を占領、雌木が元気に育つまで数年かかりました。
蔦
葉は互生、15cmの広卵形で裏面には毛が密集しています。浅い鋸歯があります。蔦が巻き付く力はすごいものです。何本かで巻き付き合って伸びていきます。いつの間にか隣のヤマモモとビワに侵食していきます。
収穫
木の幹に近いところは特に栄養たっぷりで収まりきらなくて、まるでジャガイモ、この方が美味。キウイは追熟が必要なものですが、このゴールドキウイは木で熟する品種で、すぐ食べられるほど柔らかいものもありますし、特に追熟の手間がかかりません。
そろそろ寒くなって葉も落ちてきたので、ゴールデドキウイを収穫しました。八百屋さんのゴールデンキウイは細長い形ですが、自家生キウイはずんぐりしています。
品種
20世紀に入り品種改良され、1934年から商業栽培されて、1950年代になって世界に広まりました。日本で最初に栽培されたのは1973年石川県加賀市です。日本で食べられているキウイは外国産と日本産が半々。一年中食べることができます。ニュージーランド産は5月~12月で外国産の約9割。チリ産が5月~7月。日本産が12月~4月。
緑色のキウイは主に「ヘイワード」という品種で、追熟が必要です。リンゴと一緒に袋に入れる方法がありますが、フジでは効果がなくジョナゴールド、王林、津軽よいそうです。「ためしてガッテン」によると、袋の中の一個を少しぐらいごっつんと刺激を与えるとエチレンガスを出して他のものまで追熟できるそうです。
なかには食物アレルギーを起こす人がいます。ラテックスアレルギーの人、シラカバの花粉アレルギーのある人は共通の抗原性があり要注意です。キウイは栄養豊富、健康効果は広く言われていることですが、ゴールドキウイの方がヘイワードに比べてビタミン類が多く甘みも強くてお薦めです。ゴールドキウイは日本向けに甘く作られた品種です。甘みの強い国産の赤いキウイ「レッドスター」があるそうです。食べてみたいですね。
害虫と防御システム
キウイは害虫に強い植物といわれています。「シュウ酸カルシウム」の針状結晶が大量に含まれていて食害から守っているそうです。パイナップル、ラン、サトイモ、ブドウ、アロエ、ホウセンカ等にも含まれているそうです。キウイやパイナップルには耐虫効果のあるタンパク質酵素一種の「システインプロテアーゼ」も含まれていてこれらの相乗効果によってより耐虫効果が発揮されているそうです。
キウイヒメヨコバイ
それほどの被害はありませんが、キウイヒメヨコバイというキウイにしか付かない害虫がいます。雌は黄白色、雄は前翅が根元から2/3が紅色できれいです。
1年に4世代を繰り返します。1991年に日本で見つかったまだ新しい害虫です。葉裏について吸汁されてかすり状になり葉が枯れていきます。排泄物で汚れるのが大変です。防除の薬剤があるそうです。
変な実が
中に変わった実がありました。何があったのでしょう。中身は大丈夫でした。チャバネアオカメムシかもしれません。こぶや亀裂ができるそうです。犯人は↓