奇麗な緑色のちょっとずんぐりしたカマキリです。珍しいといわれる褐色型も見つけました。
ハバビロカマキリ
- カマキリ目カマキリ科カマキリ亜科
- 分布 本州、四国、九州、沖縄
- 大きさ ♂45~65mm、♀52~70mm
- 出現期 8~11月 年2化
- 食べ物 昆虫、小動物
- 不完全変態
- 越冬 卵虫
成虫
樹上性の中型のカマキリです。殆どが緑型、まれに紫色を帯びた褐色型もあります。前胸は他のカマキリに比べて短く、腹部の幅が広いのが特徴です。前翅縁に白い紋が入ります。前脚基節前縁に数個の黄色い突起があります。
褐色型
卵鞘
低木の枝、壁や柱などに産み付けられます。やや細長い形で黒っぽく艶があります。空気を含んでいて断熱効果が高く冬を越すことが出来ます。
ハラビロカマキリの卵鞘は面にべったりと張り付けるように付きますが、よく似たムネアカハラビロカマキリはくっ付いている部分は4割ほどと産み付けられ方が違います。
突起があります。オナガアシブトコバチに寄生されることがあります。
幼虫
若齢幼虫は脚の縞模様が目立ちます。
腹部を背面に反り返っています。
翅芽が見えています。
ハリガネムシ
カマキリの中ではハラビロカマキリが一番ハリガネムシに寄生されることが多いようです。ハリガネムシは表面はクチクラに覆われて、体節はありません。乾燥すると針金の様に硬くなることからこの名がついたそうです。カマキリ、バッタ、キリギリス、ゴミムシ、コオロギなどに寄生する水生生物です。水中で孵化した幼虫はカゲロウやユスリカなどに摂取され、摂取者の腸の中で殻を作って休眠します。接種者が羽化し、陸上に移動し、カマキリなどに捕食されると捕食者に寄生し、2~3か月かけて腸中で成長します。寄生された昆虫は生殖機能を失い、成長したハリガネムシは脳にある種のたんぱく質を注入して宿主をコントロール、水深のある水辺にいざない飛び込ませます。尻から脱出して交尾、産卵します。泳げないカマキリなどは魚に食べられます。