一番夏を感じるのがこの蝉の声、そして今は仰向けになった姿を見るようになりました。地味だと思っていたその翅はよく見ると美しい。
アブラゼミ
- カメムシ目セミ科セミ亜科
- 分布 北海道、本州、四国、九州。屋久島
- 大きさ 56~60mm
- 出現期 7~9月
- 幼虫の食べ物 草や木の根の汁
- 成虫の食べ物 バラ科などの樹液
- 不完全変態
- 越冬 卵及び幼虫
- 鳴き声 ジッジッジッ ジリジリジリ ジージージー
成虫
体色は黒褐色、黒色、背中が赤いのもいるらしい。翅は茶褐色で不透明、黄緑色の翅脈が美しい。油が染みたような模様が入ります。透明ではない翅は世界的にみても珍しいのだそうです。
光を浴びた翅の裏側、後翅翅垂部は暗化します。
前胸背には赤褐色の紋が入りますが、暗化したり全体が赤褐色の個体もあります。
頭部は胸部より幅が狭く先端は丸い。複眼は暗褐色から黒色、中央にある3つの赤いのが単眼、明るさを感じる器官らしい。蝉は眼がいいそうですよ。
胸部から腹部にかけて白い粉に覆われています。長い口吻が見えます。これを突き刺して樹液を吸います。
雄と雌の違い
産卵管は普段は突出しませんが、太くて頑丈、その先は、外側がの波打ち鋸状で、枯れた木の皮を切り裂き、産卵します。
鳴くのは雄のみ、雄には後脚付け根付近にある大きな腹弁あります。鳴く仕組みは、腹にある発音膜を発音筋で震わせて共鳴室で音を大きくします。腹部を伸び縮みさせたり、発音膜の蓋のような腹弁の隙間を空け閉めして音の強弱や調子を変化させて独特の鳴き声になります。
生態
枯れ木や樹皮に産卵、一か所に10個ほど、一種間程かけて300~800個ほど産卵する様です。卵の状態で越冬し、梅雨に降雨をきっかけに孵化、地面に降り、前脚を使って地面に潜ります。栄養状態に左右されますが、2~6年土中で脱皮を繰り返します。5回の脱皮を経て夕方に地上に出て、気に入った場所を探し、夜に羽化します。頭の方から体をうねらせながら抜け出します。羽化したばかりの翅は半透明の奇麗な白色です。成虫は1か月足らずの命です。
幼虫
ここに決めたのでしょうか。
無事に羽化できますように
ちゃんと同じ場所で抜け殻確認、よかった!
抜け殻
葉裏には沢山の抜け殻がぶら下がっています。26mm以上ある大型の抜け殻。色が濃く艶があります。
アブラゼミの抜け殻の特徴は、触角が太く毛が多いこと、第3節が第2節の1.5倍の長さであること、眼と眼の間出っ張った鼻の頭のような場所に濃い色が入ることです。