同じアブラナ科イヌガラシ属で果実ができるまで同じ花だと思っていました。ともに在来種のよく似た雑草です。若葉は食べられます。
イヌガラシ(犬芥子)
北海道から沖縄まで道端や空き地にほぼ一年中みられる多年草です。草丈10~50cm。芥子菜に似るが違う(いな)の意味の名前です。
花
花期は4~9月、直径4~5mm、黄色の4弁花(十字花)、萼片が4枚、雄しべが6本。
葉と果実
茎は暗緑色、または褐色で毛はありません。上部の葉にほとんど切れ込みがなく基部の葉は細かな鋸歯がある長楕円形です。葉の基部には小さな耳があり、わずかに茎を抱きます。
果実は長角果、幅1.2mm、長さ15~25mmの細長い円柱形で上方に湾曲しています。なかには真っ直ぐなものもあります。種子は2列に並び楕円形で長さ1mm足らず、褐色で網目模様があります。熟すと果皮が2裂し、めくれて落下します。
スカシタゴボウ(透田牛蒡)
日本全国おもに北半球の湿った場所に生える越年草または1年草です。この変わった名前の由来は不明。
茎 葉
茎は緑色で毛はありません。根生葉は長さ5~15cm、葉は長楕円形、基部が狭く羽状に裂け、基部は耳状に張り出し茎を抱きます。下部の葉の切れ込みが深く、上部の葉の裂け方が浅くなっています。
花
花期は4~10月、直径3~4mm、4弁花(十字花)、萼片4枚、雄しべ6本。
果実
果実は長さ5~7mmの長楕円形の短角果。短角果とは長さが幅のの3倍以内の角果のこと。白い隔膜で2室に分かれています。各部屋に隙間なくびっしりと種子が並び、種子は黄褐色で1mm足らず、いぼ状の突起があります。
イヌガラシとスカシタゴボウの違い
「スカシタゴボウ」は「イヌガラシ」より花が小さい・果実が短い・葉の切れ込みが深い・葉は茎を抱く
他のイヌガラシ属の在来種
ヒメイヌガラシ
イヌガラシとスカシタゴボウとの混雑種・イヌガラシより大きい・多年草・種子が少ない
ミチバタガラシ
小形・花弁がない・葉の幅が広い・果実はイヌガラシと同じように長いが曲がらない
コイヌガラシ
葉がやや小さく翅上に深く裂ける・果実は長く7~9mm