自然教育園 クモ目

ジョロウグモ科~ジョロウグモ(女郎蜘蛛)

あちこちに大きな網を張って真ん中に鎮座しているジョロウグモが存在感を増しています。

ジョロウグモ

  • クモ目ジョロウグモ科ジョロウグモ属
  • 分布 本州、四国、九州
  • 大きさ ♀17~30mm ♂8~13mm
  • 出現期 9~11月
  • 不完全変態
  • 越冬 卵

5月頃孵化し、最初は集団生活し、その後、糸を使って飛びます(バルーニング)。幼体の間小さな網を張って、小さな昆虫を捕えます。7~8回、多いと10回脱皮して生体になります。成熟期は9~10月、メスが脱皮直後や食餌中に交接します。10~11月に産卵、樹木の葉や樹皮、建物などに卵嚢を付けます。

幼体

ジョロウグモ幼体

幼体背面・7月8日・自然教育園

 

ジョロウグモ幼体

腹面

 

ジョロウグモ幼体

8月3日・自然教育園

成体

ジョロウグモの♂と♀

♂と♀ 9月22日・自然教育園

 

オスは褐色がかった黄色に濃色の斑紋が入り、歩脚は暗褐色に黄色い帯が入ります。オスはメスより早く成熟し、メスが成熟する前からメスの網の片隅で居候し、交接のタイミングを計っています。複数のオスがいることもあります。交接後もオスは網に居残り他のオスとの交接を阻みます。受精は最初に交接したオスの精子による確率が高いそうです。

ジョロウグモ♀

♀ 8月13日・自然教育園

 

腹部背面には黄色と緑青色の横縞模様があります。歩脚は長く黒色に黄色い帯が入ります。

ジョロウグモ♀

シロオビアワフキを捕まえた・♀・10月29日・自然教育園

 

腹部下面には鮮紅色の紋があります。成熟する前はオスのような縦線の斑紋が入っています。

ジョロウグモ♀

10月30日・自然教育園

 

sジョロウグモ♀

11月9日・自然教育園

 

ジョロウグモ♀

11月13日・キジョランで・自然教育園

 

キジョランにいました。どこかで産卵するために網を離れたのでしょうか。

網と感覚センサー

網は大きな馬蹄形で中央の目の細かい主網の前後に補助網を張り付け3面になっています。網は張り替えず修理していきます。網は秋には黄色を帯びて陽光で金色に輝きます。英語ではゴールデンシルクウエブウイーバー、金色のシルク網を紡ぐ者の意味です。柔軟性と強度を兼ね備えています。
ジョロウグモは単眼が8個頭上部にありますが、上部の明るさなどの情報しか得られません。脚にある様々な機能を持つ毛が感覚に関与しているそうです。脚の先端の毛は近づいてくる昆虫などの羽音を聞くことが出来、脚の節にある琴状器官は聴覚と歪みセンサーになっていて、巣の揺れが何によるものか、何処なのかなどを感知しているそうです。その他、体にもセンサーを備えているとか。

ジョロウグモの網にはシロカネイソウロウグモという銀色の🍙状の腹部の小さな居候がいることがいることがあるそうです。オニグモやコガネグモの網にも居候するそうです。

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