路端、野原や畑など至る所で目にするお馴染みの蝶型の花です。
カラスノエンドウの名前の由来は
・カラスのように果実が黒いからまた大きいという意味で「カラスノエンドウ(烏野豌豆)」
・葉が矢筈に似ていることから「ヤハズノエンドウ(矢筈豌豆)」
・未熟な果実の両端を切り落として豆を取り出して笛にして遊ぶことから「ピーピー笛」
カラスノエンドウの特徴
マメ科ソラマメ属のつる性越年草です。地中海原産、ユーラシア大陸、日本では本州から沖縄まで分布しています。
茎 葉
秋に発芽しつるのない状態で越年します。茎は根元から分岐して左右に伸びていきます。全体に毛があり4角柱になっています。草丈は60~150cmになります。葉は羽状複葉で互生、先端は3分岐した巻きひげになり周りの植物に絡みつきます。小葉は2~3cm、狭倒卵形で先端が凹み中央に刺状突起があります。裏面には長毛があります。葉柄の基部には濃褐色の蜜腺がある三角形の托葉があります。
夜は葉は閉じ気味になります。根にはマメ科の植物の特徴である根粒が見られます。
花
花期3~6月。葉腋に1~3個の12~18mmの紅紫色の5弁の蝶形の花を付けます。白花や色の薄い花もあります。雄しべと雌しべが入っている竜骨弁(舟弁)は翼弁よりかなり小さい。萼は8~15mm、萼裂片は広線形。
果実
若い果実です。果実は扁平で長さ4cm。熟していくと先端から真っ黒になっていきます。中には5~10個の種子が入っています。種子は長さ2.5mm、黒斑があります。
晴れた日に果皮が捩れてパンという音とともに種子を弾き飛ばします。雨の後などの湿った状態にすると捻じれは元に戻ります。
食用にしていた時代もあります。若芽や若い果実は塩ゆでして晒してあえ物などに。熟した果実は炒って、若芽と花は素揚げやてんぷらに。
スズメノエンドウ
小さいという意味のスズメの名のついたスズメノエンドウがあります。同じソラマメ属のつる性越年草です。葉は先に突起のある12~16の小葉からなり狭卵形で先端は分岐して巻きひげになります。長い花柄の先に小さい4mm花を房状に付けます。托葉には蜜腺がありません。果実は10mmの長楕円形で中には2個の種子が入っています。
他の似た植物のカスマグサはカラスノエンドウとスズメノエンドウの自然交雑種で両方の名前をとってカ+ス+間でカスマです。